ビール腹はビールのせいではない! つまみのせいだ! 忘年会を乗り切る正しい飲み食いの仕方

健康

2016/12/16

『ビールを飲んでも飲んでも腹が凹む法』(小林一行/三笠書房)

 今年も太る季節がやってきた。忘年会、そして年が明ければ新年会のシーズンだ。めくるめく飲み会の数々。口に流し込む酒の量は、大みそかが近づくにつれて増え、二日酔いの体に迎え酒でムチを打つ。日本中のビジネスマンの下に、ローマ神話に出てくるお酒の神様バックスが降臨する時期なのだ。私が何を言っているか分からない読者もいるだろう。私もちょっと分からない。しかし『ビールを飲んでも飲んでも腹が凹む法』(小林一行/三笠書房)に書かれていることは理解しなくてはいけない。本書に書かれている方法を実践すると、いくらビールを飲んでも太らないというのだ!

 ビールは「太りやすい酒」と思われがち。確かに、アルコールにはかなりのカロリーが含まれている。しかしアルコールは「酔い」を引き起こし、体温が上昇してカロリーを消費するので、全てのカロリーが吸収されてしまうわけではないらしい 。また、ビールには「プリン体」が多く含まれており、飲みすぎると痛風になると思われがちだが、それはビールのせいではない。ビールと一緒に食べる「つまみ」を食べすぎているせいだ。著者の小林一行氏によると、飲み会ではお酒を気にするより、つまみを気にするべきだそうだ。

 太らないための勝負は、ランチから始まっている。多くの人は「今夜の飲み会」のために昼ご飯を軽めに済ますだろう。しかしそれはNGである。空腹のまま飲み会に参加すれば、空腹を満たすため真っ先にフライドポテト、唐揚げ、ピザなどの「太りやすいメニュー」に手を出してしまう。さらに、空腹のため注文しすぎてしまう。そんなNG行為を防ぐため、飲み会前に軽く食べておくことが重要なのだ。オススメ食品は、太りにくく、腹持ちの良いチーズやゆで卵だそうだ。

 お酒を飲むときは、同じ量の水も注文するべきだそう。お酒には利尿作用があり、酒を飲み進めると、さらに水分を欲した体のせいで、余計に飲み食いが進む。食欲の暴走だ。酒と同じ量の水を飲むと、利尿作用をカバーし、食欲の暴走を抑え、肝臓も労わることもできるのだそうだ。

 食べる順番も重要だ。

(1)食物繊維
(2)タンパク質
(3)脂質・炭水化物

 飲み会に参加するときは、この順番で食べ進めてほしいと小林氏は言う。(1)にあたる「きゃべつ」「冷やっこ 」「漬物」などは、食物繊維、ビタミン類、カリウムが豊富で低カロリー。血糖値の上昇がゆるやかになり、体につく脂肪が抑えられるという。

 (2)のタンパク質にあたるお肉や魚。これらには「必須アミノ酸」が多く含まれており、欠かすことのできないメニューだ。レバー、砂肝、ナンコツなどの焼き鳥の内臓系は低カロリーで、タンパク 質やミネラルが豊富。焼肉やもつ鍋でおなじみのミノ、センマイ、スジなどは、ビタミン類、鉄分、葉酸などが含まれており、美肌効果も期待できるので女性にぜひ食べてほしい。魚メニューで鉄板の刺身。小林氏は、刺身についてくる「つま」を食べてほしいという。大根にはジアスターゼという消化酵素が含まれており、炭水化物の分解を促進し、胃もたれ、胃酸過多、二日酔いを防いでくれる。刺身の「つま」こそ、刺身のメインなのだ。

 食物繊維→タンパク質という順番で食べ進めると、この時点でかなりお腹いっぱいになっているはず。「食べないようにするダイエット」は絶対に失敗する。人間の三大欲求に理性が勝てるわけがない。しかし「いくらでも食べていい。けれど食べる順番を守ろう」という決まりだと、なんだか頑張れそうな気がする。これこそが小林氏の狙いだ。食物繊維→タンパク質→脂質・炭水化物の順番で食べ進めると、いくら飲み会に参加して飲み食いしても太らないのだそうだ。

 本書を読み進めた私の感想は、「これ、ほんまか?」というのが本音。しかしこの方法を実践している小林氏は、飲み会に参加して好きなだけ飲み食いし、25キロ痩せたそうだ。驚きしかない。ビール腹で悩むサラリーマンは多いだろう。わらにもすがる思いで様々なダイエット法を試しているはず。この飲み会シーズンは、本書の方法に従ってみるのもいいかもしれない。

文=いのうえゆきひろ