20年後に後悔しないための子どもの食事。「脳を育てる」「身長を伸ばす」秘訣とは!?

出産・子育て

2017/11/30

■「甘いもの」が子どもの健康をむしばんでいる


「お菓子買って!」「ジュース!ジュース!!」。子どもにねだられ、まぁいいか、と日常的にお菓子やジュースを与えている親は多い。

 だが、お菓子やジュースには、過剰な糖分、塩分、脂肪分など、「子どもの体に悪いもの」も含まれる。成長期の子どもに欲しがるだけ与えていて、本当に大丈夫だろうか?

「飽食時代の食生活が、子どもたちの健康や学力を損なっている」。そう力説するのは、母子の栄養を研究し、小学生への食事調査などを数多く実施している、予防医療コンサルタントの細川モモさんと管理栄養士の宇野薫さんだ。

細川「今の子どもは発育がいいと思われているけれど、身長は伸び悩んでいる。栄養失調で、給食のない夏休み明けにやせてくる子は、全国の自治体で多い」
宇野「うちの子は大丈夫と思っていると大まちがい。実際に血液検査をしてみると、血糖値やコレステロール値、尿酸値などでひっかかる子どもは約40%もいた」

 栄養失調!? 戦時中や戦後の話かと耳を疑うが平成29年、いまの日本の話だ。糖尿病に尿酸値異常? メタボの中高年か……!? そう、子どもたちの健康状態は、年々悪化しているのだ。

■小学4年生で「糖尿病予備軍」は14~15%


 このグラフは、平成27年度に実施された香川県小児生活習慣病予防健診の結果。「糖尿病要注意」の子どもが平成24年は約10%、平成27年は約15%へとふえているのがわかる。

 学校の健康診断では特に問題のなかった子どもでも、自治体が希望者に実施する小児生活習慣病健診では、血液検査でひっかかるという。たとえ太っていなくても、元気に走り回っていても、体の中を病気の芽が確実にむしばんでいる。決して、他人事ではない。

■「食べさせたもの」を20年後に後悔しても遅い!


 子どもの発達には、体の部位ごとに「爆発的に伸びる時期」があるという。その時期に、伸ばすために必要な栄養、食べ物が不足すれば、当然、成長が滞ってしまう。

 たとえば、脳を育てるのは、0~6歳が最大のチャンス。脳の神経回路は、6歳までに約9割が完成してしまう。幼児期にスマホを与えて思考力を奪うことの危険性が叫ばれているが、食事でも脳の主材料であるDHAをとらなければ、脳は発育発達しない。幼児期にゲームとお菓子にまみれたインドア生活をしていては、育脳のチャンスを捨てるようなもの。

 また、近年、小中高校生の骨折率が増加しているが、骨を伸ばすのも、強くするのも、「思春期まで」と限定されていることを知らない親は多いだろう。

 子どもの骨には、大人には存在しない「骨端線」という軟骨組織があり、女の子は15~16歳、男の子は17~18歳ころに骨端線が閉鎖すると、身長の急激な伸びは終わってしまう。骨をつくる働きがピークになるのも思春期だ。この時期をのがすと、食事や運動でいくら努力をしても、骨量が大きくふえることは期待できない。

 目には見えないが、食事からの栄養は確実に子どもの脳と体をつくっている。身長、骨の強さ、やる気、体力、学力、生涯の健康、寿命、女の子の場合は妊娠力まで、すべては成長期の栄養状態が影響しているのだ。「食べさせてきたものが悪かった」と、成人してから後悔してもとり戻せない。

■「バランス食」に勝る食べ方は存在しない


 頭をよくするにはDHA? 背を伸ばすにはカルシウム? 親としては手っ取り早く答えが知りたくなる。だが、偏った食事は、ほかの栄養が抜け落ちるリスクもはらむ。大切なのはバランスだ。

宇野「栄養素は1つだけでは機能せず、助け合って働く。サッカーや野球のチームが、スター選手、足の速い選手、守りのかたい選手などがバランスよくそろわないと勝てないのと同じ! 栄養の偏った食事では、子どもを勝ち組にはできない」
細川「バランスよく食べている人の総死亡率がいちばん低いことが、国の調査でも明らかになった」

 気まぐれな子どもまかせでは、バランス食など到底無理。だから、親が食事のコントロールをすることは不可欠だ。
 細川モモ・宇野薫監修の『成功する子は食べ物が9割』(主婦の友社)には、成長期の子どもに何をどう食べさせたらいいのか、レシピとともに具体的なノウハウが詰まっている。

 冷蔵庫の中身が、カラダの中身。善は急げ。今日から食生活を改善していきたい。