GWにイッキ読み推奨! 血沸き肉躍る完結済みバトルマンガ厳選5作

マンガ

公開日:2019/5/4

 GWもいよいよ終盤! でもまだまだ時間はある! というわけで、読み応えたっぷりの長編で、血沸き肉躍るバトルシーン満載のマンガを5作品セレクトした。

 強さのインフレをものともせず、次々と現れる強敵たちを倒していく主人公、個性的でいぶし銀の仲間たち、宿命のライバル同士の尊い関係、こんなバトルマンガの魅力にどっぷりハマってみてはいかがだろうか?

■“最強”が理解(わか)る大河バトルマンガ

『グラップラー刃牙』全42巻(板垣恵介/秋田書店)

 “地上最強”を目指す格闘技者・はぐれ者たちの戦いを描いた、大長編バトルマンガだ。続編として『バキ』、『範馬刃牙』、『刃牙道』、そして2019年現在も連載が続く『バキ道』と、まさに大河ストーリーとなっている。

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 その第1シリーズとなる本作では、主人公・範馬刃牙(はんまばき)が地下闘技場や最大トーナメントで、強敵たちとあいまみえる。また個性的なキャラクターたちのスピンオフストーリーも数多く描かれた。

 その中でも43巻目にあたる外伝『グラップラー刃牙 外伝』は、個人的にもっとも好きな、ぜひ読んでほしい作品エピソードだ。特にあなたがプロレスファンならば必読である。

 刃牙シリーズを読み終えた時、あなたは“最強”の意味が理解(わか)るかもしれない…!

■「黄金のような夢」をかけた戦いの結末は…?

『ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風』 全10巻(文庫版)(荒木飛呂彦/集英社)

 もはや説明不要かもしれない『ジョジョ』は、ジョースター一族と、ディオ、そして彼らの子孫や後継者たちが戦いを繰り広げる大河バトルマンガである。吸血鬼のパワー、波紋、そしてスタンドという超常的な力での戦いを描き、累計発行部数は1億冊超え。第8部までの通巻で120巻を超えている。

 ここで紹介する第5部『黄金の風』編はTVアニメ化もされ、今一番盛り上がっているのではないか。舞台はイタリア。ディオの息子にあたるジョルノ・ジョバァーナ(汐華 初流乃)は、ギャング組織「パッショーネ」に入団する。そこで出会った同じスタンド使いの仲間たちと、組織の内部抗争に巻き込まれ、いつしか組織のボスと対決することになるのだ。

 超がつく個性的なキャラクターたちが繰り出す、読者の固定観念や想像を超えまくったスタンド能力での戦い。これを圧倒的な画力で描いている。

 ジョルノの黄金のような夢、そして仲間たちの覚悟、これらをかけた旅は、逃れられない運命に抗うことだ。ラストできっとそれがわかるはずだ。

■千年不敗の格闘技、その名は陸奥圓明流!

『修羅の門』全31巻(川原正敏/講談社)

 総合格闘技がまだそれほどメジャーでなかった時代、1987年から連載がはじまった格闘技バトルマンガが本作だ。千年不敗を誇る幻の格闘技。陸奥圓明流の後継者、陸奥九十九(むつつくも)の戦いを描く。

 実在の、その時代にトレンドとなった格闘技、格闘技界隈のトピックなどが多く登場し、絶妙なさじ加減の世界観で、ぐいぐい読みこんでしまう。陸奥圓明流のスーパーな技でのバトルシーンは圧巻である。リアルすぎず、ファンタジーすぎずスカッとする展開だ。

 本作『修羅の門』で描かれるのは、九十九と実戦空手団体・神武館との戦い(第一部)。全日本異種格闘技選手権(第二部)。ヘヴィ級ボクシングのチャンピオンとの戦い(第三部)。ヴァーリ・トゥードで柔術との戦い(第四部)である。

 この31巻までのシリーズと、続編にあたる『第弐門』(全18巻)の他に、実際の歴史の陰で陸奥圓明流が活躍する『陸奥圓明流外伝 修羅の刻』がある。修羅の刻だけでアニメ化もされるほど人気で、宮本武蔵、源義経、織田信長、幕末の志士たちとの戦いは各1、2巻ずつ収録されており、お好みのエピソードから読むことができる。

■喧嘩で一番強いのは誰? バトルシーンもギャグもキレキレ!

『喧嘩商売』全24巻(木多康昭/講談社)

 喧嘩で強いやつが一番強い、格闘技界で言われているとされる言葉だ。この喧嘩バトルを描いたのが本作だ。主人公、佐藤十兵衛(さとうじゅうべえ)は高校生だが、格闘テクニック、精神力、凶器攻撃や不意打ちも行う容赦のなさで、ヤクザや元プロ格闘家、同世代の天才空手選手に勝利していく。

 元々いじめられっ子だった十兵衛は古武術“富田流”の後継者、入江文学に教えを受けていた。ただ上には上がいる。十兵衛に恨みをもつ暴力団に依頼された喧嘩屋、工藤と戦い、敗北を喫する。この富田流と工藤とのエピソードを中心にストーリーは進んでいく。

 リアルな格闘技描写に加えて、凶器や戦う場所を生かしたストリートファイトがハードに描かれる。ただ『幕張』『泣くようぐいす』などを描いてきた木多氏ならではのハードなギャグも本作の魅力のひとつ。パロディや著名人への罵詈雑言、身近な人物(漫画家・編集者など)のリアルな暴露ネタが本筋と関係なく描かれ、大胆すぎて単行本ではカットされたものも。

 続編にあたる『喧嘩稼業』は、ほぼギャグなしのバトルマンガであるため、木多ワールド全開の本作をまずは楽しんでみてほしい。

■喧嘩の強さも大切…プライドをかけた東京No.1決定戦は必見!

『ろくでなしBLUES』全25巻(森田まさのり/集英社)

 1980年代~1990年代の“不良”を描いた学園ストーリーマンガが本作だ。ギャグや明るい不良高校生の日常を描いたエピソードに加えて、不良らしい他校との喧嘩バトルが見所。登場人物の名前は主人公の前田太尊(まえだたいそん)を筆頭に実在のボクサーの名前が多く、キャラクター自体も芸能人やスポーツ選手、格闘家をモデルにしている。

 リーゼントがトレードマークの太尊は、プロボクサーとボクシング世界チャンピオンを目指しジムに通っており、高校の番長格などの地位には興味がない。ただ喧嘩で負けた時に「こんな大事なことが他にあるか」と言うほど強さにはこだわっていた。吉祥寺最強となった前田は“東京四天王”と噂されるようになり、他校の番長格たちと戦うようになる。

 バトルマンガとしてはこのいわゆる四天王編、そして大阪の極東高校との戦いを描いたエピソードがおすすめだ。前田は浅草の薬師寺、渋谷の鬼塚、池袋の葛西らと、それぞれの街の有名な場所を舞台に、リアリティのあるタイマンバトルを繰り広げるのだ。そして大阪からやってきた川島率いる極東高校との戦いでは、東京を背負い、前田と他の3人が共闘。極東高校150人と東京四天王とのストリートファイトとなる。

『ろくでなしBLUES』は学園青春ものとしてのテイストが強いものの、仲間との友情や強さへのプライドを描いた本格的なバトルマンガなのだ。

 本稿では連休にもってこいの長編バトル漫画を選んでみた。全て電子書籍で読める作品なので、スマホやタブレットに入れて持ち運ぶことができ、好きなエピソードをいつでも読み返すことができる。

 持っている方は久しぶりにぜひ読み返してほしい。また持っていない方は、大人買いしてイッキ読みをおすすめする。

文=古林恭