『水曜どうでしょう』のミスターも推薦! 北海道のオキテとは?

暮らし

公開日:2014/5/14

 日本には、その土地によってさまざまな文化や習慣、方言などが残っている。なかでも北海道には“オキテ”とも言うべきことがらがたくさんあるようで、4月12日に発売されたコミックエッセイ『北海道民のオキテ』(さとうまさ&もえ:原作、たいらさおり:漫画/KADOKAWA 中経出版)では北海道民のちょっと変わった文化や常識を紹介されている。生粋の北海道民で『水曜どうでしょう』ではミスターの愛称で親しまれている鈴井貴之も推薦するこの本から、北海道民ならではのオキテを見てみよう。

 北海道民といえば、やはり極寒の地に住んでいるのだから、寒さには強いというイメージがあるのではないだろうか。たしかに本書でも登場人物は、外の気温がマイナス5度でも「ふぶいてるけどやっぱり暖かいね~」と話す。そもそも気温を伝えるときに、北海道民はマイナスをつけず、逆に5度のときにプラス5度と言うほどなのだ。しかし、家の中での暮らしぶりはどうかというと、窓も玄関も防寒対策のため二重で、家にいるときは24時間巨大なストーブをつけっぱなし。実は、室内なら冬でもTシャツで過ごせるくらいの暖かさなのだ。そのせいか、本書の登場人物もとても寒がりで、東京で生活しているときは15度でもエアコンだけじゃ足りず、セラミックファンを抱えるようにして過ごしている。

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 また、驚かされるのは“距離感”の違いだ。広大な北海道では、片道100キロぐらいは日帰り圏内で、片道約150キロオーバーでも日帰りで買い物に出かけてしまう。往復で300キロ超え。これは東京からなら、長野県や愛知県にまで行けてしまう距離だ。実際、北海道だけ地図の縮尺が違うこともあるらしく、『マックスマップル全日本道路地図』(昭文社)でも、他の県は20万分の1なのに、北海道だけ30万分の1になっているそう。地元の人に道を尋ねるときも「ここから5分ぐらいださあ」と言われたら、それは「車で5分」という意味なので注意が必要だ。

 そして、北海道といえばやっぱりジンギスカン。北海道でバーベキューといえばたいていジンギスカンであり、小中学生のときに目的地で炊事をする「炊事遠足」でも、みんなでジンギスカンを食べるそう。それほど身近な料理だからこそ、北海道民ならではのこだわりもたくさんある。肉もマトンかラムという違いだけでなく、そのままの肉かラム肉を丸く成型加工した冷凍ロール肉、さらに味付けジンギスカンか味付けされていない肉を焼いてタレをつける生肉ジンギスカンかといったように、さまざまな種類のものがあるので、好みによっていろんな肉を選べるのだ。それに、味付けジンギスカンも焼いたあとにタレをつけて食べるので、そのタレにもこだわる。人気が高いのは「ベル食品」や「ソラチ」のものだそうだ。

 これからの季節、北海道は自然も美しく過ごしやすい、他府県の人間にとってはあこがれの場所。みなさんも北海道に行くときは、こういったオキテを覚えておくといいかもしれない。

文=小里樹