妊活から妊娠、出産、育児まで赤裸々に! 北陽の二人が語る「育児ストレスを笑い飛ばす方法」

出産・子育て

更新日:2016/4/6


『北陽の“母ちゃん業”まっしぐら! 同級生お笑いコンビが40才でそろって母に!』(北陽/主婦の友社)

 同級生で女性お笑いコンビを組み、テレビで活躍できることだけでも、ものすごい確率の奇跡だと思う。しかも同じタイミングで子どもを妊娠、出産し、そろって母親になるなんて、もうとんでもない天文学的確率ではないだろうか。

 なんて、言い過ぎたかもしれないけれど、そんなコンビそろって同時期に母になったお笑いコンビ「北陽」の虻ちゃんと伊藤ちゃんが出産・育児子育て本を出版した。

北陽の“母ちゃん業”まっしぐら! 同級生お笑いコンビが40才でそろって母に!』(北陽/主婦の友社)は、ボケの虻ちゃん(虻川美穂子)とツッコミの伊藤ちゃん(伊藤さおり)が「子育てストレスを笑い飛ばそう!」と様々な悩み、不安などを忌憚ない表現で語ってくれている対談形式の育児本だ。

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 内容は「妊活ライフ」から始まる。二人とも30代後半からの妊活であり、「赤ちゃんを授かるまで」にも様々な困難があったとか。「米、からあげ、お菓子」といったような食べ物を好んで食べていた虻ちゃんは食生活の見直しから。伊藤ちゃんは子作りに行き詰まっていたころ、気分転換に旅行へ。ハワイでウミガメ(子宝の象徴らしい)に出会い、リフレッシュする。

 もちろん、妊活には旦那の協力も必要だ。虻ちゃんは「排卵日だっていうのに信じてもらえずキレた!」と旦那さんとのケンカを語ったり、伊藤ちゃんは「排卵チェッカーを山盛り用意して、夫の帰りを待つことにした」と、あまり公にはできない夫婦の性事情にもおもしろおかしく触れている。

 そして念願の妊娠!

 安産のために水中ウォーキングをしていたという伊藤ちゃん。一方、虻ちゃんは逆子だったらしく「逆子は動いちゃだめ! 足が出て来るよ!」と言われてびくびくしていたとか。

「お産の前って特番前のドキドキを超えてるよね!」と虻ちゃん。「特番前」を経験したことのない一般人にとっては、むしろ引き合いに出されるほど特番前は緊張するんだな、と。

 いよいよお産当日。伊藤ちゃんは「2日近く陣痛に苦しんだ」「子宮口もマックスまで開いて、あとは赤ちゃんが下りてくるだけなのに、来ない!」「ほんとキツかったよ……」と語っている。

 無事に出産が終わった二人だったが、まだまだ大変なことは続く。産んだ後も「後陣痛」でつらい。トイレに行くのも地獄。

 それが落ち着いたら、いよいよ本格的に育児が始まる。そこでも母親は悩む。

 何をしても泣き続ける息子に疲れ果て、思わず「無」になってしまったという虻ちゃん。赤ちゃんへのミルクは「母乳」がいいのか「ミルク」がいいのか論争。母乳が一番良いというのは当然なのだが、母乳が出ない、少ない等で、どうしてもミルクに頼らざるを得ない場合もある。しかし「母乳神話」が強いあまりに「完全母乳で育てたい」と虻ちゃんは固執していたとか。

 だがちょっとだけ先輩ママ伊藤ちゃんの「ミルクをあげてる」という言葉で救われ、神経質に完全母乳にこだわらなくなったこともあったそうだ。

 その後も離乳食を食べてもらえない、イヤイヤの始まり、ママ友はどう作ればいいの? 赤ちゃんとの外出はいつから? どこで? 保育園に入れない! などなど、新米ママには迷うことばかりの体験談が満載。

 毎回おむつ替えを嫌がられる虻ちゃんは、「童謡をオペラ調に歌い、あっけにとられている間におむつを替える」という技を編み出したこともあるとか。

 本当に、妊娠、出産、育児は大変なことばかりだと思う。

 だけど結局は「子どもがめっちゃかわいい」という想いが二人を突き動かしている。だからこそ、どの母親も頑張れるのだと思うが、あまり無理をせず、北陽お二人のように育児ストレスを笑い飛ばしてほしい。

文=雨野裾