“がん治療の革命”として世界的に注目が集まる「抗PD-1抗体」って?

健康・美容

公開日:2016/8/27

 今、がん治療の世界で一大革命が起こっている。それは、新薬「抗PD-1抗体」(商品名・オプジーボ、一般名・ニボルマブ)の登場だ。この「抗PD-1抗体」を、わかりやすく図解する『新生ペプチドと ビックリする がん免疫新薬の力』が2016年8月17日(水)に発売された。

 日本で開発されたこの新薬では、「免疫チェックポイントの阻害」というまったく新しい発想が採用され、従来に比べてずば抜けた奏功率が実現されている。すでに皮膚がん、肺がんで保険適用されており、さらなる保険拡大が期待される一方、高額な医療費が議論を呼んでおり、NHK「クローズアップ現代+」で特集が組まれるなど、テレビ・新聞・雑誌等のメディアで“旬”のトピックだ。

 「がん」と「医療保険制度」の問題が交差する新薬の登場は、メディアだけでなく、国民的な関心事にもなっている。この問題を正しく捉えるためには「新薬のどこが、どうすごいのか?」「なぜ必要なのか?」をよく理解しておかねばならないし、苦しいがん治療を続けている人は、必ず知っておきたい知識だ。

advertisement

 その知識を同書ではしっかりとカバー。著者の星野泰三は、臨床の現場で新薬の“ビックリする実力”を体感してきた現役の医師(医学博士)。新薬の力を最大限に引き出す独自のメソッドを構築しており、同書でもその詳細を惜しげもなく披露している。「抗PD-1抗体」について知るための、またとない入門書となるだろう。

    img02

 3部構成になっており、第1章では、新薬のメカニズムと、その効果を引き出す独自のメソッドを25に分け、項目ごとに文章と図で解説。第2章では、さまざまながん種について、新薬の臨床結果や展望を述べており、第3章では「抗PD‐1抗体」による最新の改善症例が紹介されている。

    img03

 「医療ものは読みづらい…」と感じる人も多いだろうが、図をふんだんに使用し、字は大きく、語り口はやわらかいので、どの人にとっても読みやすく、わかりやすい構成になっている。がんは誰にでもなる危険性がある病気。他人事だと思わず、しっかり知識を身につけておこう。

    img04

※掲載内容は変更になる場合があります。