パリ在住12年で辿り着いた「究極のインドア生活」。人気エッセイスト井筒麻三子さん「街に出るより、居心地のいい家にいるのが一番の贅沢!」【書評】
PR 公開日:2026/5/27

40代になってから、フランス・パリへ移住したエッセイストの井筒麻三子さん。お気に入りの家具や雑貨を集めたパリの部屋のインテリア、蚤の市での買い物、夫のYasさんと愛猫たちとの生活など、その暮らしぶりを届けるYouTubeチャンネル『GOROGORO KITCHEN』は、47.4万人もの登録者を集め、世界中のファンが更新を楽しみにしています。


2026年は在仏12年目。本来のインドアを好む性格もあって、現在はパリの街に出かけるよりも家で過ごすことが増えているそう。「我が家は、パリで手に入る美しいもの、素敵なものを少しずつ揃えていったからこそ、今の居心地の良さが生まれたともいえます。なので私としては、『パリだからこそ、家にこもってしまうのだ』と主張してもいいんじゃないか、と思うくらいです」と井筒さん。
新著『パリの幸せおこもり暮らし』(井筒麻三子:文・イラスト、Yas:写真/講談社)では、そんな井筒さんの家での過ごし方にスポットを当て、居心地の良さをつくる「モノ・コト」を紹介。井筒さん自身が描いたイラストと、夫のYasさん撮影の素敵な写真を添えながら、家の中の好きなポイントや、家事や生活への向き合い方、趣味でもある作り置きのレシピなど、たっぷりと伝えています。
心地良い空間づくりの秘訣は「好き」に素直になること!?
色とりどりの家具や雑貨が調和する井筒さんの家。この色使いのセンスに魅了されるファンも多い中で、インテリアに色を取り入れることに難しさを感じている人も少なくありません。そんな人に、本書の中で井筒さんは「いろんな色がくれる幸せ」を教えてくれています。
「大胆に色を取り入れても、インテリアは意外と許容してくれます。不安な場合は、小物やクッションなどの小さなアイテムから試してみるのも手。好きな色に囲まれる暮らしは、思いがけないほど心地よいものです」



「色が氾濫するかも」と心配しすぎず、「好き」の感性に素直に従って取り入れてみる。井筒さんの「臆せずに」というメッセージに触れると、好きなものに囲まれることこそが心地良さにつながるのだと、自然と気づかされます。
毎日の心地良さを増やす「発想の転換」
やっと手に入れたお気に入りの雑貨など、大切に思うからこそしまい込んでしまう人も多いのではないでしょうか。でも、「いいものこそ普段使い」が井筒さんの考え方。
「手持ちのアンティーク食器の中には、人気が高く高値で取り引きされているものからそうでもないものまで色々ありますが、我が家のルールは『お皿の扱いに差をつけない』。(中略)モノは使ってこそ意味があると思うので、どんどん登場させて楽しみたい。もし割れてしまったとしても、気にしません」


客用、日常用などの区別もなく、1ユーロのお買い得食器も、貴重なアンティークも等しく食卓へ。

食器としてだけでなく、道具入れや植木鉢にするなど、自由な発想で「素敵」と感じる使い方をしているそう。
たとえパリ暮らしでなくても、日本での今の生活を豊かにできそうなヒントが、本書にはたくさんちりばめられています。私たちは自分で思うよりも固定観念にとらわれていて、生活の中で「こうしなきゃ」「ああしなきゃ」と窮屈さを感じているのかもしれません。本書を読んでいると、「自由に、心地良いと感じるほうへ行ってみてね」とアドバイスをもらっているように感じます。心が軽くなる方向へと、そっと背中を後押ししてくれるような一冊です。
文=三浦小枝
