【ダ・ヴィンチ2015年9月号】「米澤穂信」特集番外編

特集番外編2

更新日:2015/9/4

【ダ・ヴィンチ2015年9月号】「米澤穂信」特集番外編

 米澤穂信特集番外編

編集I

昨年の『満願』刊行以降、米澤穂信さんの特集をやりたくて、ずっとタイミングをうかがっていました。なるべくなら、新刊が出るときに、と、版元の東京創元社の方や米澤さんご本人にも刊行時期をうかがったり。そんな待ちわびた状態だったので、『王とサーカス』の発売が7月29日に決まったとうかがったときは「ついに!」と気持ちがぐっと盛り上がりました。

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特集の準備にはいるときに新作『王とサーカス』をゲラで拝読したのですが、その衝撃たるや、読み終わって震えました。弊誌のインタビューで米澤さんもお答えになっているように〈ベルーフ〉シリーズの「ベルーフ」とは「天職」という意味。読後、この言葉を深くかみしめると同時に、自分にもつきつけられた「問い」であることを感じました。物語の着地については、執筆前からの構想のとおりということで、それをこうした舞台設定、ストーリーで届けようとするところに、米澤さんの引き出しの多さと誠実な人柄もにじみ出ていて、これまで米澤作品をずっと読んでこられた方であれば、そうしたところにも感慨があるのではと思います。

今回の特集の中で、個人的な趣味全開だったのが、「ヨネザワグルメ」企画です。米澤作品内のスイーツや料理の描写や細やかさ、薀蓄の深さには常々惹かれており、米澤さんご自身の「食」に対する接し方をうかがってみたいと思っていたのです。

美味しいものの話をうかがうのであれば、やっぱり美味しいものを食べながらということで、会食を兼ねたインタビューとなりました。今回の『王とサーカス』がネパール舞台なので、エスニック料理をいただくことに。お店は、丸ビル内のレストラン「カサブランカシルク」です。

記事内でも紹介していますが、米澤さん、東京各地を散策&食べあるきしているそうで、各種料理のお店&料理情報にものすごく詳しくて、それは驚くほど。美味しさ表現もすばらしいので「絶対に行きたい!食べたい!」と仕事そっちのけでメモを取ったり、本当に幸せな取材でした。誌面からもその雰囲気が伝わっていると思います。ぜひ、お目通しください。