ドラマ放送直前!メディアワークス文庫の大人気シリーズ「探偵・日暮旅人」の魅力に迫る! 山口幸三郎インタビュー

2017年1月期 新日曜ドラマ!「視覚探偵 日暮旅人」

聴覚・嗅覚・味覚・触覚……五感のうち四つの感覚を喪った男、日暮旅人。そんな旅人が、唯一残った研ぎ澄まされた視覚を駆使し、物を、人を、そして愛を探す新感覚ヒューマンミステリー!
日本テレビ系にて1月22日(日)よる10時スタート
[初回30分拡大スペシャル]毎週日曜よる10時30分放送
出演:松坂桃李 多部未華子 濱田 岳
住田萌乃/上田竜也 シシド・カフカ/北大路欣也ほか
演出:堤 幸彦(『20世紀少年』『SPEC』『真田十勇士』)
⇒ドラマ「視覚探偵 日暮旅人」公式サイト

    山口幸三郎さん

    やまぐち・こうざぶろう●1983年生まれ。2008年、第15回電撃小説大賞〈選考委員奨励賞〉を受賞しデビュー。

    山口幸三郎の最新作、2カ月連続刊行!!
    第1弾 1月25日発売
    『天保院京花の葬送 ~フューネラル・マーチ~』
    第2弾 2月25日発売予定
    『猫曰く、エスパー課長は役に立たない。』

 音や匂い、味に感触、あたたかさや冷たさ、そして感情─目には見えないこれらのモノを“視る”ことのできる能力をもつ、探し物専門探偵・日暮旅人。旅人の過去と復讐を描いた1stシーズン、彼が人間的になってゆく過程を追った2ndシーズン。さらに本編で語られなかったエピソードやパラレルワールドな物語を収録して好評を博した番外編の第2弾、『探偵・日暮旅人の残り物』が刊行された。

「そもそものはじまりは、異能力探偵ものを書いてみませんか?と担当編集者さんから提案されたことからでした。ですが、これまでに探偵どころかミステリーを書いたこともない。しかも異能力だなんてハードルが高すぎる(笑)。既存のそういった作品を調べてみると、一匹狼タイプや、斜に構えたワイルド系が多いことが見えてきました。そこで、ならば真逆にしようと決めたんです。王子さま系で、生活能力がなくて、柔和な物腰で、誰かの支えがないと生きていけない異能力探偵……目に突出した力が宿っている分、他の感覚は失くした方が異能の部分を強調できるし、そういう人物ならば、強さと弱さ、厳しさと優しさの両方を備えているはず、と」

 かくして日暮旅人は生まれたのだが、なぜ“探し物”に特化した探偵としたのだろう?

「ミステリーや推理、トリックを主体とした内容には気持ちが向かなかったのですね。それよりも、探し物を見つけることによって依頼人の人生を変える探偵にしてみたいと考えました。第1巻に収録されている第1話『椅子の声』を書き上げて、ああ、これだな、と手応えを感じたことを覚えています。探偵ものというよりもヒューマンドラマのつもりで書いていました」
 どこか人間離れした旅人を支えるのは、仕事上のパートナーの雪路と、日暮親子を心配する保育士の陽子だ。

「陽子はいわば読者目線を担う人物です。旅人のことを何も知らない状態からスタートして、どんどん知っていく。そんな陽子を旅人の側へと導いていく存在が雪路。陽子によって、超然としていた旅人が変わっていく様子をハラハラしながら眺めてもいて、雪路には苦労をかけました。その分、書いていて親しみも感じました」

 最新巻は3つの短編と1つの長編から構成されている。短編は、雪路の継母がついに登場する「雪消の隘路」。敏腕刑事・増子すみれの私生活が明かされる「花の夕影」。本編終了後の旅人と陽子の姿を描いた「ひだまりの恋」。

「旅人と雪路が喧嘩をする話が読みたいという要望をいただきまして、「雪消の隘路」は、それに応える形で書きました。継母の麗子を描くことで、雪路の父である照之も、本編とはまたちがう顔を出せるのではないかと。「花の夕影」では、増子すみれの仕事以外での顔を見せたかった。「ひだまりの恋」は、最終巻『日暮旅人の望む物』で旅人と陽子の関係を着地点までもっていかせてはいたのですが、もう少し具体的な形で、その後の2人を書くべきかもしれないと思いました。偶然にも3つとも恋愛小説になってしまい、こそばゆい感じです」

 グランドフィナーレである長編「祭りのあと」には登場人物が総出演していて、シリーズを追い続けてきたファンにはたまらない!

「今まで試したことのなかった長編での群像劇に、最後に挑戦したかったのです。謎解き要素を入れつつも祝祭感と、祭りの後の晴れ晴れとした淋しさを出せれば、と」

 全十冊にもわたる“日暮旅人”シリーズを終えた今、どんな思いが胸に残っているだろう。

「自分はやっぱりヒューマンドラマが好きなのだと再確認しました。オムニバス形式なのでミステリー、サスペンス、恋愛、青春、家族……いろいろなテイストを試すことができて、それを可能にしてくれたこの物語の奥ゆきの広さに感謝しています。旅人からは作者である僕自身が鍛えられました」

 そして今月より、活字から映像という形に生まれ変わって、日暮旅人が戻ってくる! 

「一昨年の特別ドラマ版に続いて、本当に光栄なことです。小説とドラマは表現形態がちがうのだから、世界観だって異なってくるはず。俳優のみなさんも豪華かつ実力のある方たちばかりで、僕としては、あとはもう委ねるのみ。まさか北大路欣也さんが榎木ドクターを演じてくださるとは……しかも原作版よりもエッチでコミカルになっていて、なんだか恐縮です(笑)」

演出は、『金田一少年の事件簿』『ケイゾク』『TRICK』『SPEC』など、ミステリードラマの傑作を多数手がけてきた堤幸彦監督なだけに期待も高まる。

「コメディとシリアス要素を掛け合わせつつ、1stシーズンの軸である旅人の復讐譚へと展開してゆくのかなあ……なんて想像してワクワクしています。活字でしか伝えられないものがあるのと同じように、映像でしか伝えられないものというのもあるはずなので。しかも旅人の視界というのは、言ってしまえば実写でしか具体的に表現できません。そのあたりをどのように見せてくれるのか、一視聴者として非常に楽しみです」

(文=皆川ちか 写真=為広麻里)
 

登場人物紹介

    登場人物紹介

    日暮旅人(ひぐらし・たびと)
    視覚以外の感覚を失ったかわりに、見えないものを視る探し物探偵。

    百代灯衣(ももしろ・てい)
    血の繋がらない旅人の娘。人形のように美しい、ませた保育園児。

    山川陽子(やまかわ・ようこ)
    旅人に惹かれる保育士。旅人と灯衣の生活を心配し事務所に通う。

    雪路雅彦(ゆきじ・まさひこ)
    旅人の仕事上のパートナー。彼の心と身体を誰より心配している。

累計75万部突破!!「探偵・日暮旅人」シリーズ

    『探偵・日暮旅人の探し物』 書影

    既刊10巻 550~690円(税別)

5歳の時に巻き込まれた事件で、視覚以外の感覚を失った日暮旅人。保育士の陽子は、彼のすべてを見透かしたような哀しい瞳に惹きつけられ、ともにさまざまな事件に巻き込まれていく。本編・スピンオフ作品の2作のコミカライズもある大人気・異能探偵シリーズ。

最新刊

雪路家の家族の形を描く「雪消の隘路」。クールビューティ、増子刑事の結婚生活とは?「花の夕影」。その後の旅人と陽子の物語「ひだまりの恋」。短編3本に加え、オールスター総出演の長編「祭りのあと」を収録。



TOPICS

最新記事

もっと読む

人気記事ランキング

ダ・ヴィンチ×トレインチャンネル

特集

ダ・ヴィンチニュースの最新情報をチェック!

ページの先頭へ