『ONE PIECE』ドレスローザ編がついに完全決着! 最強の男登場で気になる今後の展開は?

マンガ

公開日:2015/11/18


『ONE PIECE』(尾田栄一郎/集英社)

 『ONE PIECE』(尾田栄一郎/集英社)は97年に連載を開始して以来、累計発行部数3億冊を超える超人気漫画。海賊となった少年モンキー・D・ルフィが個性あふれる仲間たちと共に「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を見つけて「海賊王」を目指す海洋冒険ロマンだ。少年漫画らしい仲間たちとの友情、夢への冒険をテーマにしながら圧倒的な世界観と抜群のストーリーセンスで幅広い層からの人気を獲得している。

 2015年10月現在で単行本は79巻まで刊行されており、これは『週刊少年ジャンプ』において『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(1976年連載開始作品)に次ぐ長期連載となっている。

 初版発行部数の国内最高記録を次々と打ち立て、2015年6月15日にはついに「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録に認定された。35以上の国と地域で流通し海外でのコミックス累計発行部数も6000万部を超える。

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 『ONE PIECE』と言えば様々な企業とのコラボ商品も人気だが2015年秋には四代目市川猿之助がスーパー歌舞伎IIとして「頂上戦争編」を演じ歌舞伎とのコラボレーションが実現した。日本の伝統芸能である歌舞伎と国民的漫画のコラボは若い世代が歌舞伎に親しむいい機会となりそうだ。本来歌舞伎とは「ばかばかしい」「ふざけた」ものとして庶民の娯楽として愛されてきた。漫画の歌舞伎化は非常に現代らしい面白い挑戦だ。これをきっかけに今後様々なコラボ作品が誕生するかもしれない。

 さて、コミックス最新刊の79巻ではついに「ドレスローザ編」が完全決着を迎える。コミックス70巻から始まった「ドレスローザ編」は王下七武海という制度の下、海賊ドフラミンゴの治める王国を舞台に繰り広げられた。得体のしれない自信にあふれていたドフラミンゴの意外な過去、ドレスローザの抱える深い闇、亡きエースの悪魔の実「メラメラの実」をめぐる争いなど様々な思惑が入り乱れた。

 競技場での戦いやルフィの義兄弟サボとの再会など見どころの多い「ドレスローザ編」だが、中でも「小さなリク王軍」として戦ったトンタッタ族とゴッドウソップの大活躍は見どころの一つ。

 サボがどうして今になって姿を現したのかもこの巻で明らかにされる。

 エースを助けられなかった無念を分かち合える新たな義兄弟の登場は仲間と共にルフィの今後の大きな支えになりそうだ。

 今回の戦いでは麦わらの一味が3チームに分かれて行動しており、ナミ・ブルック・サンジ・チョッパーなどを乗せたサニー号は一足先に出航している。通称「ぐるわらの一味」がたどり着いた異常な島とそこで出会った不思議な容貌の少女、ついに全貌が明らかになった「百獣のカイドウ」の登場で一気に物語も加速しそうだ。ドレスローザ編で活躍のなかったサンジ達の活躍にも大いに期待したい。

文=朝倉志保