小説家と歌人、言葉のプロフェッショナルな女と男の交換エッセイ
公開日:2013/6/4
テーマはまさにタイトル通り「異性」について! 切り込み隊長は角田さん(♀)で、「好きと相手に伝えられる?」という内容からスタートします。この“角田さんから”というのが、なんだかこのおニ人の関係性、果ては男女の関係性を物語っている気がする。
自分の考えや体験を赤裸々に発信し意見していく角田さんに対し、穂村さん(♂)は角田さんの文章から引用して分析していくことが多い。分析というとカッコ良さそうだけど、穂村さんの場合カッコ良くはならない。でもそこがとてもいい。それはきっと、男性が見栄を張って言いたがらないようなことを素直に白状してるからかも知れない。
さらに、度々角田さんが狂おしく疑問をぶつけるのに対し、穂村さんは中立の立場で分析する姿勢を崩さない。ここで「女ってやつは!」というタイプだと、この本はとてもギスギスしたものになってしまうと思うのだが、これはお互いが発見して、なるほど! と言い合って進んでいく。
また色恋以外に、男女それぞれの考え方の違いも語られているのだが、ここで私はわからなかった自分と同じ女性の謎も解いてもらった気がした。 角田さんの「ファッションがアピールするもの」という回で、ファッションなどが女性にとって重要な役割を担っていることを知った。 正直私はこの事に関しては男性側で、そんな感覚があるなんて思ってもみなかったのだ。でもすごく腑に落ちる。だから私はどこにも属せないのかと。
すべてのやりとりを読んで、男と女はあまりにも違い過ぎて、こんな深い溝は一生埋まらないんじゃないかと思ってしまったけど、最初から理解できない(されない)と考えれば、もやもやと悩むこともないかもしれない。 もちろん2人だけの意見なので反対意見もあるかと思いますが、 なによりお二人の考えや体験、聞いた話などは興味深いものばかりで、とても楽しく読めました。
好きな子に対する穂村さんの自問自答が可笑しい。でも、男性はきっとみんなこんなこと考えてるんだろうなぁ~
別れた後、その人にどんな感情を抱きますか?
3分とは言わないけど、分からないでもない…かも
主電源とは一体なにか
何事!? これは女性には理解しがたい
(C)角田光代、穂村弘/河出書房出版