武道をたしなむ武士娘たちと真剣（マジ）で楽しい学園生活を送る

4月から全国の公立中学校で必修化武道が始まりますね。特に柔道の指導について、いろいろと報道されていますが…。それはそれとして。『真剣で私に恋しなさい！』の真剣は「マジ」と読み、通称は「まじこい」です。

読んでから知ったのですが、本作はみなとそふと開発の萌えゲーをコミカライズしたもの。ゲームは、いずれも武道をたしなむ武士娘たちと好みの学園生活を送るという内容で、正式なジャンル名が「武士娘恋愛アドベンチャー」。ゲームの世界観を忠実に再現していると評価が高い本作でも、ドタバタの現代学園コメディが展開されています。

本作の主要登場人物たちは、2年生の風間翔一を“ボス”とする「風間ファミリー」のメンバーで、同じ学園の2年生で主人公の直江大和（なおえ・やまと）も参謀的な立場で所属しています。

風間ファミリーのヒロインは次の5人。

●圧倒的な戦闘力を持つ、メンバー内唯一の3年生、川神百代（かわかみ・ももよ）。武器は拳。

●元気っ娘で義姉・百代の強さに憧れる、なぎなた使い、川神一子（かわかみ・かずこ）。あだ名はワン子（一子）。特技は、犬笛を聞けば、どこでも10分で駆けつけること。

●無口で何を考えているのかいまいち掴めない、大和にベタ惚れの、椎名京（しいな・みやこ）。弓使い。

●極度の恥ずかしがりやで、1年生の黛由紀江（まゆずみ・ゆきえ）。武器は日本刀。

●ドイツのリューベック市から留学生としてやってきたクリスティアーネ・フリードリヒ。レイピアを使う。

ひとクセもふたクセもある個性的なキャラクターが、「格闘マンガかよ」と思うようなバトルやアクションを見せたり、コメディを展開したりと、物語が進むスピード感と爽快感がたまりません。よくあるハーレム展開を期待するとみごとに裏切られます。

必殺であるところの武道の精神は「対峙したら片方には明日がないのだから、気を抜かず全力で立ち向かえ」というもの。こんなぶっ飛んだ少女たちに現実で出会うことはまずないでしょうが、もし出会えたとして、想いを寄せるなら、まさに「真剣勝負」で挑まないと、一瞬で蹴散らされてしまうでしょうね。

「ゆるい恋愛モノはもういいよ」「もっと骨がある恋愛ものを読みたい」という人は本作を。