走る一流ホテル! 1室70万円の豪華列車を予約するには…

暮らし

公開日:2014/2/2

 日常から離れて、ゆったりとした時間を過ごしたい…。会社や学校に疲れてきて、旅の誘惑にかられている人も少なくないのでは? 日々の家事をこなしている主婦も、そろそろ温泉で身も心もほぐしたいはず。せっかくだから豪華列車に揺られて、心地良いリズムと景色を味わいながら、目的地を目指すのもよいかも。

 というわけで、一流の豪華ホテルに泊まるぐらい贅沢気分を味わえる、豪華列車の旅を覗いてみよう。頼りになるのが『贅沢な時間をすごす 豪華鉄道旅行』(東京カレンダー)。全国の人気路線が美しい写真とともに紹介されており、読んでいるだけでも旅情をかきたてられる良書だ。抑えておきたい代表的な路線は、以下のとおり。

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■「ななつ星」
 九州内をゆったりと楽しむために誕生した、日本初本格的クルーズトレイン。なんと各寝台個室は異なる木材が使用されており、部屋ごとにさまざまな香りが楽しめるという豪華ぶり。7両編成で、1車両の定員は28人(エクストラベッド含まず)とゆったり仕様。最上級の「DXスイート」に至っては、列車の最後尾の「タイプA」と中央部の「タイプB」のみ。両個室とも21平方mもの広さを誇り、寝室と居室が分かれており、幅198cmのベッドが2台用意されている。「タイプA」は天窓にスクリーンを下ろして映画鑑賞が可能。床と天井はペアウッド製、天井は箔押し加工された格天井と、豪華絢爛の充実ぶりだ。旅の楽しみである料理は「九州各地の一流ホテル・旅館の料理長クラスが、九州の威信をかけて腕をふるう最高のもの」で、九州産を中心とする厳選素材を調理する。
 原稿執筆時(1/28現在)で予約受付中の日程は、2014年8月16日出発分から。抽選となっており、現時点で約18倍だとか。ハズレても、応募した回数が多いほど当たる確率がアップする嬉しいシステムを採用。ちなみに気になる料金は、宿代込みで「スイート」2名1室18万円(1泊2日・1名)から、「DXスイートA」2名1室70万円(3泊4日・1名)など。ちなみに乗車は中学生以上のみ。

■「カシオペア」
 上野~札幌間を走る、2階建ての豪華車両。「トイレ・洗面台を完備、排水の音が隣室に聞こえない防音仕様」で、プライベート空間を確保している。ツインの個室は3タイプあり、最上クラスの「カシオペアスイート」は計9万2720円(2名・運賃・特急料金・寝台料金含む)。「メゾネットタイプ」は1階と2階の景色が楽しめる珍しい構造。ウェルカムドリンクでもてなされたあとは、都内から札幌まで移り変わる景色に目を奪われる。食事は「ダイニングカー」で、会席料理とフランス料理から選ぶ。遅めの時間には、部屋までスペシャル弁当を届けてくれるサービスも。こちらの路線は比較的購入しやすいようで、当日分の空室も確認できた(1/28現在)。

■「トワイライトエクスプレス」
 大阪~札幌間で日本一のスケールを誇り、「誕生から20年を数える今も衰えない人気の秘密は、日本海の壮大な夕景と、スマートな接客にあった」と紹介される寝台特急の代表格。目的地まで22時間という長旅で、ゆったりとくつろげる。「A寝台スイート」は計8万9620円(2名・運賃・特急料金・寝台料金含む)、「Bコンバート(開放式)」は計2万5620円(2名・運賃・特急料金・寝台料金含む)。旅の楽しみ方や予算によって、好みの部屋が選べる。運行は不定期となっており、2014年2月28日までは月水金土・大阪駅11:50出発。予約はJRみどりの窓口、各旅行代理店にて、乗車1カ月前の午前10:00から。予約は困難となっており、朝一の争奪戦にかけたい。

 ほかにも本書では、日本初の豪華寝台特急「北斗星」、グリーン車の上をいくグランクラスが人気の「東北新幹線」、和のイメージを取り入れた「北陸新幹線用車両・E7・W7系」など、さまざまな豪華列車が紹介されている。眺めているだけでも旅気分が味わえるので、ベッドの傍らに置くのもオススメだ。

文=八幡啓司