猫対烏! ゴミ捨て場の決戦! ライバルたちから紐解く『ハイキュー!!』の魅力

マンガ

公開日:2014/3/24

 少年マンガに欠かせないのが、主人公と切磋琢磨しあうライバルの存在。ライバルが強ければ強いほど、熱量が増すのがスポーツマンガだ。いま人気急上昇中のバレーボールマンガ『ハイキュー!!』もその例に漏れない。主人公の通う烏野高校のライバル校は、いずれも何かしらに特化した強みを持ち、実に個性的。『ダ・ヴィンチ』4月号の『ハイキュー!!』特集では、主人公に負けず劣らずキャラの濃いライバルたちから、その魅力を紐解いている。

――烏野バレー部にとって宿命のライバルとなるのが、猫又監督率いる東京の音駒高校だ。宮城と東京という別エリアにある両校だが、烏養監督と猫又監督が旧知の仲だったことから、遠征して練習試合をするようになった。

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 その戦いは「名勝負! “猫対烏! ゴミ捨て場の決戦!”」と呼ばれ、近所で人気になるほど。いつか全国の舞台で「ゴミ捨て場の決戦」をしようと誓い合ったが、ようやく両校が出場を果たした4年前の春の高校バレー全国大会では、烏野が3回戦で敗退したため、公式戦の勝負は実現していない。

 実力伯仲でありながら、「小さな巨人」がいた頃ですら一度も勝てなかったという強豪・音駒高校。その強さの理由は、猫又監督が徹底する“繋ぐ”チームプレイにある。5年ぶりに実現した練習試合でも、烏野は攻め続けながら、音駒のしぶとくレシーブで拾う守りを攻略できず、セッター孤爪の変幻自在のトスに翻弄されっぱなしで、終わってみれば……。

 しかし、烏野の課題が明確になったことは大きな収穫だった。バレーボールは床にボールが落ちなければ負けないスポーツ。守備を固め、いかに攻撃陣に“繋ぐ”か。そのためには練習あるのみ。まずは県予選を突破し、全国大会で「ゴミ捨て場の決戦」を果たすことが、物語の核となっているのだ。

 そんな宿命のライバル・音駒と全国の舞台で戦うためにも、まずは県予選を突破しなければいけない烏野だが、宮城県は強豪ひしめく激戦区。数々の因縁を持ったライバルたちが待ち受ける。県ベスト4の優勝候補・青葉城西高校や、鉄壁のブロック・伊達工業高校、絶対王者の白鳥沢学園高校といった強豪が勢ぞろい。各チームそれぞれを代表する、一筋縄ではいかないキャラクターたちも、このマンガを楽しむポイントの一つだ。ちなみに、白鳥沢学園高校のモデルはあの羽生結弦選手も通った南光学園東北高等学校。特集では、同行への潜入密着取材も行っている。

構成・文=大寺 明/ダ・ヴィンチ4月号「ハイキュー‼大特集」