“めんどくさい”の正体を知って、ストレスフリーな5月を過ごす方法

暮らし

公開日:2015/5/7

 ゴールデンウィークが明けると、なんとなく気だるい気分の人も増えているのではないだろうか。いわゆる五月病……まではいかないが、次の連休までをうっかり数えていないだろうか。仕事、家事、人間関係、これらを“めんどくさい”と思っている人にぜひ読んでもらいたい本がある。

 キャリアや生き方の悩みごとを解決する、行動心理コンサルタント・鶴田豊和氏の著書『「めんどくさい」がなくなる本』(フォレスト出版)だ。意欲や行動が鈍る仕組みを解説し、対策法がまとめてある。

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●自分が生み出すストレスこそ“めんどくさい”の要因

 本書を読むと、人はいかにストレスという「目に見えない」存在からダメージを受けているかがわかる。
 ストレスは、上司に怒られる、自分が何かに失敗する、食べたかった唐揚げ定食が売り切れるなど、大小問わずありとあらゆるところからもたらされる……。なかでも“大きなストレス源は自分である”と驚きの要因が書かれている。

 “めんどくさい”を増やしている理由のひとつは、「○○すべき」と自分で自分を縛ること。たとえば、必要以上に「やらねば」と自分に負荷をかけている。また、「上司はこうあるべき」「○○するのが常識だ」など、自分にルールを課すことはおろか、他人にまでこのルールを適用していることが、ストレス源になっているのだ。そうはいっても、仕事には納期があり、上司に気に入られないと昇給できない、自分に決定権がないこともある。これら外部の変えられない物事とどう付き合うべきなのか。それも“自分次第”と著者は述べる。

 そこで、本書は、大きく2つの“めんどくさい”への対処法を紹介する。ひとつは“仕事”“目標”など「行動」との付き合い方。もうひとつは、“職場”“プライベート”など「人間関係」である。

 まず、“行動”について。「年初に3キロやせよう」「仕事にやる気がおきない」など、数々の“めんどくさい”行動が思い浮かぶだろう。では、なぜ「それをしなければ」と思うのか、理由を書き出してみよう。そして次のことを考えてみて欲しいと。

—その目標を達して、あなたはどう幸せになりたいのか。あなたの思う幸せとはなにか—

●その目標を達成してどうなりたいのか?

 本書には、他の自己啓発本同様に細かな行動改善のマニュアルが書かれている。けれど、すべての行動は、幸せを手に入れるためのプロセスのはず。ならば「自分にとっての幸せ」を明らかすべきとも。そして、その「幸せ」は他人に依存するべきではないと著者は問うのだ。

 自分にとっての幸せを明確にすることは、人間関係のストレス軽減にも通じる。職場で他人にストレスを与えられても、常日頃から「幸せ」なら、大したダメージにならないからだ。

 あなたが職場に居所がないと感じるとしても、どこかに幸せでいられる場があれば、たとえパワハラ上司に当たっても、心は折れにくい。もちろんストレスを受けたなら、それなりに対処することは必要だが。

 “めんどくさい”から抜け出す第一歩は、“自分ルール”を用いないこと。そしてあなたにとっての「幸せ」を具体的に思い描くこと。あなたの幸せについて漠然としか思い付かなくても、本書には、「幸せ」をつかむ方法が書かれている。それは自分に湧き起こるネガティブな感情にフタをしないこと。感情にフタをすると、ポジティブな気持ちも感じることができなくなってしまう。つまり、あなたにとっての「幸せ」がつかみづらくなるのだ。

●ポジもネガも湧き起こる感情を無視しない

「落ち込むな」「苦手な人をつくるな」「常に前向きに」など。人はネガティブな気持ちを持つことを否定しがちだ。だが、マイナスな気分のなかには、幸せへの糸口がある。2つの“めんどくさい”「行動」でも「人間関係」でも、幸せをつかむことこそ“めんどくさい”への根治のひとつとなる。

 自分にとっての「幸せ」とは、長いスパンで人生を捕らえる作業となる。だが誤解して欲しくないが、この本には、今すぐ“めんどくさい”を回避するテクニックが満載なのだ。いわばミクロな“めんどくさい”から、マクロな“めんどくさい”まで一手に引き受ける、非常にコスパのいい1冊だ。本を読むのも“めんどくさい”と思うかもしれないが、部分読みでもためになる。“めんどくさい”が心のクセになっているすべての人に届くメッセージがある。

文=武藤徉子

「めんどくさい」がなくなる本
(鶴田豊和/フォレスト出版)