第1回「本のフェス」で直木賞作家・道尾秀介とでんぱ組.inc夢眠ねむの対談が実現!!

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/15

 ロックフェスティバルのように本を楽しめる、第1回「本のフェス」が2016年3月23日(水)に東京・北青山の京都造形芸術大学・東北芸術工科大学の外苑キャンパスで開催された。

当初の来場見込み数の倍にも及ぶ来場者が訪れたが、その中でも一際注目を集めたのが、直木賞作家・道尾秀介と、でんぱ組.inc夢眠ねむのトークショー。著者自身が本の魅力を語る「本のお立ち台」で実現した直木賞作家と文豪アイドルの対談には、イベント開始時間の何時間も前から並ぶファンのほか、福岡など遠方からの参加者たちも。

道尾秀介・夢見ねむ

 トークショーは、2016年1月に中央公論新社から刊行された道尾氏の『笑うハーレキン』の話題からスタート。小説のテーマは「仮面」。道尾氏は、ミステリーなのであまり内容を話せないと前置きしながら「人は誰もが仮面を被っているのだが、登場人物の中に1人とんでもない仮面を被っている人がいる」と内容を紹介した。途中、司会者がうっかりネタバレをしそうになり、2人が激しいツッコミを入れる場面も。

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道尾秀介・夢見ねむ

 『笑うハーレキン』のテーマである仮面にちなんで、アイドルが被っている仮面についてもトークが及び、夢眠氏は「以前はアイドル“夢眠ねむ”と本来の自分との差に葛藤があったが、今はその2つが一体化してきていて、逆に怖い」と語り、笑いを誘った。さらに、でんぱ組.incの曲の歌詞についてや、ライブでのエピソードも紹介された。

道尾秀介・夢見ねむ

 夢眠氏からは、道尾氏に対して「ミステリー作家は作品を書いていて怖くないのか」「道尾作品にはトイレの場面が多くないですか?」など、ユニークな質問が投げかけられた。その他にも、文豪・谷崎潤一郎のこと、同業者へのあこがれ、理想のプレゼントなど話題は多岐に及んだ。2人のトークは軽快に進み、司会者が「自分は必要なかったのでは?」と呟く場面もあるほどに盛り上がった。

道尾秀介・夢見ねむ

 夢眠氏は現在WEBサイト「ほんのひきだし」で本や出版にまつわるいろいろを取材する夢眠書店開店日記という連載を行っている。道尾氏は、長編を3本書き終え、2作が現在連載中、1冊が刊行準備に入っているということだ。2人のこれからの活動に注目していきたい。

 本の他にも、イベント、飲食、音楽と三拍子も四拍子も揃った「本のフェス」。来場者は皆とても充実した1日を過ごせたようなので、参加できなかった方は次回の開催時はお見逃しなく!

第1回「本のフェス」イベント実施概要
日時:2016年3月23日(水)13:00~20:00
場所:京都造形芸術大学・東北芸術工科大学 外苑キャンパス
主催:本のフェス実行委員会/読売新聞社
協力:京都造形芸術大学・東北芸術工科大学 外苑キャンパス
⇒「本のフェス」公式サイト

道尾秀介
2004年『背の眼』でデビュー。2011年『月と蟹』で直木賞を受賞。ミリオンセラー『向日葵の咲かない夏』、映画化もした『カラスの親指』など著書多数。昨年末、著書の累計部数が500万部を突破した。
⇒道尾秀介公式サイト

夢眠ねむ
三重県出身。でんぱ組.incのメンバー。身長170cm。アキバと世界を繋ぐ新しい時代のスーパーアイドル。映像監督やコラム執筆等でも活躍中。
⇒夢眠ねむ公式サイト
⇒夢眠書店開店日記