櫻井翔、映画『神様のカルテ』を通じて、生きることの意味を知る
公開日:2011/9/5
2年ほど前に『ニュースゼロ』のキャスターとして医師の卵たちを取材したことがあるという櫻井さん。
「あのときは医師不足がテーマで、産婦人科医、小児科医が少なくなっていることがその入口でした。難しいですよね。訴訟を起こされるリスクが高いから産婦人科医を選ばないと言われれば、それも理解できるし、そういうことって善悪だけじゃ判断できないですから。だけど、一止のような〈思いの強いお医者さん〉がいることは間違いなくて、その時に会った学生たちの中にも、それでも産婦人科医、小児科医になりたいっていう人たちがいた。損得を度外視して命と向き合おうとしている人たちがいるんだって、そういう人たちに会えたことが嬉しかったんです」(櫻井さん)
一止もまた、末期がんの安曇さん(加賀まりこ)と向き合うことで大きく揺さぶられる。
「安曇さんが亡くなった時、一止が“約束ですもんね”と話しかけるあのシーンが、僕は本当に好きでした。患者さんとお医者さんが同じ立場で心を通わせた瞬間っていうか、二人の、僕たちの約束だからっていう。この作品をやってみて、思ったんですよ。死とどう向き合うかってことが、つまり生きるってことなのかなあと」(櫻井さん)
映画『神様のカルテ』を観れば、あのさわやかな笑顔を封印して栗原一止になりきる櫻井翔の姿に、きっと驚くはずだ。
(ダ・ヴィンチ 9月号「櫻井翔インタビュー」より)