日本をどうするか? 「まっとうなこと」をズバリいってくれる先生到来!

公開日:2013/1/7

アホの極み―3・11後、どうする日本!?

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : 朝日新聞出版
ジャンル:ビジネス・社会・経済 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:池田清彦 価格:1,134円

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昨年末、3.11以降はじめての衆議院選挙があり、原発事故以降の日本をどう作っていくのか、日本の意志が試された。結果は自民党の圧勝…この事実の是非は別にして、個人的には今回の選挙ほど「情報源をどこからとるか」を意識したことはなかった。新聞やテレビ、雑誌といった既存メディアからか、ネットからか…おまけに、どちらも「捏造」とはいわないまでも、多少なりの「偏向」があるのは当たり前の状況。とにかく、常に「本当に正しいのはどちら?」と疑い続けなければならなかった気がする。そんな時に有効なのが、「本当に正しいこと」を言ってくれる人の存在だった。「おそらく、この人の言ってることは正しい」そう直感できる発信者に出会うと、すごくほっとしたのだ。

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その意味で、この本の著者、池田センセイは、しごく「まっとうなこと」をいってのける人だと直感した。世の中は自己の利益に通じる意見が優先される、つまり「利権」体質であることを看破し、ダメなものはダメだと舌鋒するどく切り捨てる。この手の時事評論の場合、著者自身が自分の立場を守ろうとするような無言の気配が漂ってたりするものだが(それが意見の押しつけにもなる)、センセイの強気な口調に押しつけ感はあるものの、「ま、どうせ俺は死んじゃうからいいんだけどね」と言いっぱなしにする無責任さで、技アリ。根底に本来の生物学者ゆえの諦観もにじんでいて、「生物とはそういうもの」というクールな割り切りがあるのもいい。酸いも甘いもわかっている識者が、あえて述べる辛言には、やはり注目したほうがいいだろう(ちなみに『週刊朝日』の連載エッセイをまとめた本なので、各項が手頃な長さで読みやすいのも電子書籍向きだろう。強烈なタイトルだらけ(!)の目次からサクサク拾い読みも可)。

なお、地球温暖化論の「噓」についての項には要注目! 今年の冬は超寒いけれど、温暖化より寒冷化のほうがマジで現実味を帯びているかも。こうやって、世の中というものが、壮大な仕組みでだまされてるのかと思うと,マジでフクザツな気持ちになります…。はぁ。


目次より1

目次より2 激しいタイトルがズラリ!

目次より3 環境問題の項は要注目!

本文より