幼女とおっさん2人の組み合わせはまさに黄金比。凸凹3人組のホームコメディ

公開日:2013/10/26

父とヒゲゴリラと私 (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 竹書房
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:小池定路 価格:648円

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このたび私の一押し幼女ランキングに見事ランクインした幼女はこちら、『父とヒゲゴリラと私』に出てくる草原さん家のみちるちゃんです! 彼女はふてぶてしくて喧嘩っ早くて元気が有り余っていて、いざというとき言葉よりも先に咄嗟に手が出るやんちゃ系幼女。わかってらっしゃる。小池先生わかってらっしゃる。私の好みにストライクでした。

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ヒゲゴリラは大変ずるい、私もみちるちゃんと口喧嘩したい、頭突きもされたい、悪人成敗と叫ばれながら背後からドロップキックをくらって頭を踏んづけられ――たかった気がしていましたが、やっぱり見ているのが一番だと思いました。ヒゲゴリラさん強く生きろ。

さて、多くを語らずとも不憫なキャラクター臭が漂う件のヒゲゴリラさんですが、もちろんこれは彼の本名ではありません。彼には晃二という立派な名前があります。彼は兄の総一が妻をなくし、父子家庭の無理がたたって倒れてしまったため、家事の手伝いをするため草原家にやってきました。みちるははじめ、父は自分のことが邪魔になったから、その世話を押し付けるために晃二を連れてきたのだと思っていました。そのため晃二に対してけんもほろろ、初対面時からヒゲゴリラと呼んで敵愾心を見せる始末。けれど総一がみちると一緒に暮らすために、色んなことを手伝ってもらうために来てもらったのだ、と聞いて晃二の存在を受け入れます。

そしてこの話で総一の心境を知って安心したのか、その後のみちるの暴れっぷりがワンランクアップした…ような(笑) そしてわだかまりが溶けたあとも一度定着したあだ名は変わらず、むしろ試しのおじさん呼びによそよそしい感覚を覚えた晃二は、自らヒゲゴリラ呼びを希望してしまうのです。骨の髄までいじられキャラですヒゲゴリラ! そんなところがまた面白いんですけれどね。

本作は日常のほのぼのとしたコメディを基本に、たまにしんみりした話も混ざってきて、読んでいて飽きさせません。亡き母譲りの激しいみちるちゃんの天然暴れん坊ぶりに、ぜひとも癒されてみてください。


「ヒゲゴリラ?」「そう ヒゲゴリラ」「『そう』じゃねえ」3人組の今後の力関係がひと目でわかる会話

晃二に手厳しいみちるに、総一は一緒に暮らすのが嫌なのかと尋ねると、みちるは幼いながらも抱えていた不安を吐露して…

「“女の子らしい”って言うのは“みちるらしく”はないよな?」ぼんやりとした総一の父親らしさが光る!
(C)小池定路/竹書房