気づいたら1人…ホントは真面目なしっかり者の独身女性の悲哀とは?

小説・エッセイ

公開日:2013/12/7

ずっと独身でいるつもり?

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android 発売元 : ベストセラーズ
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:雨宮まみ 価格:972円

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「結婚は遅くても良いの」と強がったら、「歳をとった自分にまだ価値が残っていると思う?」と嘲笑された。ただ愛し愛される恋愛や結婚をしたいだけなのに、なんとなく結婚出来なかったという人は決して少なくはないだろう。

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『女子をこじらせて』等の著作で名高い雨宮まみ著『ずっと独身でいるつもり?』では、独身女性の現状と本音を綴っている。本書を読めば読むほど、独身というだけで生きにくい世の中の現状がありありと浮かび上がってくる。彼女達は一体なぜ、結婚に乗り遅れてしまったのだろうか。

独身のまま気づいたら30代になっていたという女性の多くは、真面目でしっかりとした性格で、1人の生活を満喫している者が多い。だから周りは「その隙のなさがいけないんだよ」と時に辛辣な言葉を投げかける。独身女性はしっかりとした生活している自分を自分で褒めてやりたいくらいなのに、「結婚したい」と思った瞬間、その「しっかりしている」という長所が全部短所になったような気持ちになってしまい日々卑屈になりがちだと雨宮はいう。彼女達は認められたがっている。だが、ただでさえ、結婚したくてもできず、孤独感に苛まれているというのに、追い打ちをかける周囲の「結婚できないのは本人自身に問題がある」という攻撃は、婚活を始める前に世の独身女性達の心を打ち砕いて行く。

長年の一人暮らしは、良く言えば自由気ままだが、悪くいえばワガママにもなる。誰にも文句を言われない生活になれきってしまうと、独身女性達は「こんな自分は誰かと一緒に生活していけるのだろうか」とふと不安になることも多いらしい。だが、独身の人間はただ無為に生きているわけではない。寂しさや孤独と戦い、働き、1人の生活をせめて快適にしようと努力し、婚活や恋愛という自分1人の努力だけではどうにもならないとことに向き合ってきた。単に彼女達は「失敗したくない」のだ。そして、「仕事をしていない自分」に自信もない。仕事がもはや自分のアイデンティティの一部となり、「何かをしてなくても自分は自分なのだ」という絶対的な自信がもてないから、仕事よりも結婚を優先しようとは思えなかったらしい。

結婚できる者とできない者を分ける差は何なのだろうか。自信の有無が原因なのだろうか。雨宮は結婚した者達は結婚を常に目の前に迫るリアルなものとして捉えてきたことを指摘している。結婚をあやふやな姿勢ではなく、「この日までに納品しなくては」と仕事をするような責任感でしっかりとした意思で臨んだ者が結婚することに成功しているらしい。だが、誰も好きで結婚に対して打算的になるわけではないし、好きで結婚を焦るわけではないだろう。みんな誰かの支えが欲しいのだ。愛し愛されたい、ただそれだけなのだ。

結婚を目指す全ての者に必読の1冊。


愛し合いされたいと思うのは高望み?

自分自身に欠陥があるの?

「かわいそう」とは言わないで

支えが欲しいが、お金だけを欲しいわけではない

結婚している人にもこの苦しみは分かってもらえるの?