アロハな気持ちがたっぷり入った植物図鑑で、旅の喜びを満たしたい

更新日:2011/9/21

ハワイアン・ガーデン−楽園ハワイの植物図鑑

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 平凡社
ジャンル:絵本・こども・図鑑 購入元:eBookJapan
著者名:近藤純夫 価格:972円

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こんなふうに幸せな気分になれる図鑑というのも、なかなかないんじゃないかな。言ってみれば植物図鑑なんだけど、たっぷりとした愛情とリスペクトが伝わってくる、ひと味違った図鑑なのだ。
  
まずは図鑑写真に注目を。現地で撮影しているだけあって、いきいきとしてる。しかも日差しや空や地面が映り込んでいて、いっそう旅心を誘われる。

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そして、説明文。植物の学術的はもちろんのこと、どんなささやかな草花も、ひとつひとつにある言い伝えや用途を丁寧に拾ってあるのだ。
  
たとえばよく知られている「ハイビスカス」にもいろいろな種類がある。アキオハラは、葉っぱからおいしいお茶がとれる。カウアイ島の渓谷に咲くのはハウ・クアヒヴィ。一時野生動物に食べられて少なくなっていたのが、また増えてきたとか。海辺に咲くハウは、女神の化身とも言われ、明るいレモンイエローの花が、夕暮れにはオレンジ色に変わっていく。樹液は薬に、枝は漁の浮きに、樹皮繊維はラウハラ細工のとじひもに…。
  
ほかにも、ハワイアンキルトのモチーフにされる植物、シャンプーになる植物、香りのよいラッピング用の葉っぱ、大切な人のレイに使う花…。ね、気になるでしょ? 
  
巻頭の文章や、折々に挿まれているコラムも、この島ならではのエピソードがたっぷり盛り込まれていて読み応えがある。
  
伝わってくるのは、ハワイの暮らしと文化と、この島に関わり続ける人の深い深い愛(アロハ)。旅する予定のある人も、旅の時間がとれず慌ただしい毎日をおくる人にもリコメンド!

太陽をさんさんと浴びて育った植物の現地写真がたっぷりと。証明写真用のきまじめ顔でなく、学校の校庭でやんちゃしてる健康優良児みたいに、めいっぱい普段顔で、いい表情してます。嬉しくなっちゃう!

本文構成は、ハワイの花と自然と文化の概要から始まって、約400種の植物とフルーツ図鑑、そしてハワイの植物園ガイド

巻末の索引は、学名、英名、ハワイ名、和名それぞれでひくことができる。ページ数をタッチすると、該当ページに飛ぶ (C)近藤純夫/平凡社