性格破綻者の美しき花嫁が嫁いだのは、夜な夜な幽霊の現れる城の主でした――
公開日:2012/2/25
『幽霊伯爵』の異名を持つコンドルン家の伯爵・ジェイクの17人目の妻として嫁ぐことになった、天涯孤独の少女・サアラ。生涯を共にするはずの伴侶は常に無感動で、妻にも関心がない様子。しかも城は、夜な夜な幽霊が出るといういわくつき! しかし幽霊を恐れることもなく、平然と自由気ままな日々を満喫するサアラに、伯爵と屋敷中の者が翻弄されて!?
第五回小学館ライトノベル大賞ルルル文庫部「ルルル賞」&「読者賞」、W受賞作品!
サアラという人間が素晴らしい!
まずこのひと言に尽きます。物腰穏やかで微笑みの耐えない、天涯孤独の儚い美少女かと思いきや、その実、思ったことはハッキリキッパリと言うしたたかな性格! ギャップ女子萌えの私としては、もうイチコロでした!
「なぜそうも私に近づく?」と問うジェイクに対する答えが「あなたを全く好きではないから」。「あなたを全然、全く、少しも、好きではないんです」と言うサアラは、だからこそ好きになりたいのだと主張します。「最後の時まで幸せであり続けるために、私は与えられた状況の中で、最善を尽くしたいのですわ」
サアラの言葉に、私はギョッとしてしまいました。私が今までして来た努力は「幸せになるためのもの」であり、「幸せであり続けるためのもの」ではなかったからです。なんて志の高い少女なんでしょう! まさに目からウロコでした。私もサアラのように、同じ女性としてさらなる上を目指さなくては…。それにしても夫に向かって「全く好きではない」というサアラはしたたかにもほどがあります(笑)。
そんなサアラに振り回される屋敷の人々。特に常に貼り付けてきた無表情の仮面をボロボロと剥がされるジェイクがとっても萌えます、可愛いです。とっっても可愛いです(大切なことなので2回言う(笑))! そしてモチロン、仮面を剥がされるのはジェイクだけではなくて…?
さて、一応は少女向けライトノベルであるこの小説、ラストは言わずもがな恋愛に発展するのですが、しかし対象が性悪美少女と無愛想伯爵。この2人は、いったいどのようにして恋に落ちていくのでしょう?
萌え死に必至なので、恋愛ラノベが好きな方はぜひ読んでみてください!
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お気に入りの台詞にマーカーを入れて。きゃー、サアラ様ステキー!!
傲慢だと言われた返答が「美人なんですもの」。台詞全てにサアラらしさがよく出ています
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