古代ギリシャを始点に、1人の青年のドラマが始まる
公開日:2012/3/17
ヒストリエ (1)
ハード : PC/iPhone/iPad/Android | 発売元 : 講談社 |
ジャンル:コミック | 購入元:eBookJapan |
著者名:岩明均 | 価格:540円 |
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僕にとっての初・岩明均さんの作品となりました。
何となく人伝いに聞いた印象で、ちょっとひねくれた作風なのかなあと思っていたら、そんなことはなく、とても物語を素直に書かれている方でした。
本作は紀元前4世紀の古代ギリシャからスタートしていますが、のっけから奴隷制度を前面に押し出すような描写は引き込まれるものがありましたね。そして主人公である青年エウメネスは一巻ではそこまで素性をうかがい知ることはできませんが、素朴で機転の利く人物です。
このエウメネス、なかなかに博識でちょこちょこと物語の中でその知識などを披露するんですが、危機的でも物怖じしない感じが主人公っぽくていいですね(笑)。
最近はナヨっとしたキャラや、受身なキャラを多く目にしているせいか、何だかとても新鮮な気持ちで読んでいられます。この時代だからこそ、ちょっとした工夫がとても異端に見えてしまうせいもありますが、それは設定の妙なのでしょう。しかしこの時代辺りになると詳細なビジュアルがあやふやになってしまうのが、私を含めた一般人なのでしょうが、読んで見て驚いたのがキャラクターの装飾や背景にしっかりと工夫が凝らしてあり、もはや読んだ最初の段階でその世界に入り浸れること間違いナシです。
過去の偉人に性格付けがしてあると、それだけで楽しいですね。より立体的にその人の人物像に迫れるというのは漫画だからこそなせる業かもしれません。まだ物語は動き出してもいないようなので、早く続きが読みたいです!
歴史とはいえ日常から強引に引き剥がしてくれる漫画は良いですよね。僕は比較的世界史が好きだったもので、そこにビジュアルがついてくれるとこうも理解が深まるものかと思い知らされました。
早く次が読みたいです!
古代ローマの奴隷制度に言及
主人公の過去を匂わせる傷跡
持ち前の洞察力から兵士の慣例を見抜く (C)岩明均/講談社