高校生同士の甘酸っぱい恋愛を描く『黒崎くんは独占したがる』。最新4巻でも、ハイスペイケメンの独占欲が炸裂!?【書評】
PR 更新日:2025/1/15

学年一のハイスペイケメンが自分に恋をした!? そんな最大級のときめきを楽しめるのが『黒崎くんは独占したがる~はじめての恋は甘すぎて~』(桜田霊子:作画、香乃子:原作/スターツ出版)です。
主人公・浅野モカは進学校に通う女子高生。後ろの席に座る黒崎くんはイケメン・高身長・文武両道で他校にもファンクラブが存在するほどのモテ男子。

女子には基本塩対応の黒崎くんですが、それでも彼の周りには女子が集まってきてモカは毎朝なかなか席につけません。
そんな黒崎くんのことを自分とは別世界の存在だと思っていたモカ。しかし毎日昼休みに通っていた人気のない旧校舎の図書館で、偶然黒崎くんに遭遇します。


その日から勉強を教えてもらったり、モカが作ったお弁当を一緒に食べたりと、ふたりきりで過ごすように。モカはそのことを一番の親友にすら言いたくないと思ってしまいます。それは黒崎くんの居場所がわかるとまた女子が集まってきて彼が困るからなのか、それとも……。モカ自身「誰にも言いたくない」という気持ちがなぜ湧き起こるのかわからず戸惑います。

この甘酸っぱい“秘密の共有”がキュンとくるポイント。黒崎くんがモカだけに見せるあどけない表情もたまりません。
「料理が得意」と話せば「うちに来て作って」と言うなど、モカに対してかなり積極的な黒崎くん。実はモカより先に旧校舎の図書館にお互いがいることに気づいていたことが判明します。難しそうな顔をして勉強したり、涙ぐみながら本を読んでいたりと表情がくるくる変わるモカのことが気になりつつも、声をかけず。3年生で同じクラスになって、飾らないモカの魅力にさらに引き込まれていきます。平凡な女の子がイケメンに好かれる……というストーリーの場合、いくらヒーローがかっこよくても主人公に共感したり好意を持ったりすることができなかったら読み進めるのは難しいもの。その点モカのいつも周りを優先して自分は引いてしまうところや、黒崎くんの突飛な行動に翻弄されるリアクションは同性の私から見ても可愛らしく、自然とふたりの恋を応援したい気持ちになりました。
自分に自信がなくて黒崎くんのアプローチを素直に受け止められないモカ。モカが誰かにとられるのではと不安で余裕のない黒崎くん。晴れて付き合い始めてからも、ふたりの間には困難が押し寄せます。
最新4巻ではずっとモカにちょっかいをかけていた同級生の高橋くんと黒崎くんがついに直接対決! タイトル通り独占欲を出す黒崎くんにキュンが止まりません。


一方モカは、初めて黒崎くんのサッカーの試合を見に行くことに。予想以上の黒崎くんファンの人数に驚いていると、同じクラスの立花さんと出会います。ずっと黒崎くんのことが好きだった立花さんから言われた、驚きの一言とは――。
ハイスペイケメンなのにモカのこととなると不安になり独占欲を出してしまう黒崎くんと、そんな黒崎くんのありのままを受け止めるモカ。校内中の注目カップルゆえにまだまだ波乱がありそうですが、これからもずっとふたりを見守っていきたいと思える作品です。
文=原智香