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柚月裕子

柚月裕子 写真:冨永智子
職業・肩書き
作家
ふりがな
ゆづき・ゆうこ

プロフィール

最終更新 : 2021-08-24

1968年、岩手県生まれ。2008年、『臨床真理』で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞を受賞。他の著書に『最後の証人』『検事の死命』『蟻の菜園―アントガーデン―』『パレートの誤算』『朽ちないサクラ』『ウツボカズラの甘い息』『盤上の向日葵』『慈雨』『月下のサクラ』など。

受賞歴

最終更新 : 2018-06-08

2008年
『臨床真理』第7回このミステリーがすごい!大賞
2013年
『検事の本懐』第15回大藪春彦賞
2016年
『孤狼の血』第69回日本推理作家協会賞 長編および連作短編集部門

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 11の短編に、柚月裕子の13年間が詰まっている。「孤狼の血」シリーズ、『盤上の向日葵』など、数々の作品で読者を虜にしてきた著者が、このたび初のオムニバス短編集を上梓した。

(取材・文=野本由起 撮影=冨永智子)

「読み直すの、けっこうつらかったです(笑)。私はデビュー作が長編でしたので、短編をご依頼されても長くなるきらいがあるんですね。特にショートショートは、原稿用紙5、6枚に収めるのに苦労した思い出があります。ゲラを読み返して、『そうそう、これ大変だったよね』って」  今読み返すと気恥ずかしいそうだが、どれも柚月さんの大切な足跡。 「『今ならこうは書かないな』という文章も多いんですね。その時々で、自分ができる限りのものを書いているはずなんですけど、今読むと流れがぎこちないなと感じるところも。デビュー以来、どうすれば読みやすい文章になるか自分なりに考えてきたので、多少なりとも成長したんでしょうか。過去の自分もここに残しておくべきかなと思い、ほとんど改稿はしませんでした」  認知症の母を介護する娘の秘密に迫る表題作、戦時下のペリリュー島を描いた感…

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第166回芥川賞は砂川文次『ブラックボックス』、直木賞は今村翔吾『塞王の楯』、米澤穂信『黒牢城』に決定!

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 第166回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)が発表された。選考会は1月19日(水)、都内で開催され、「芥川龍之介賞」は砂川文次氏『ブラックボックス』に、「直木三十五賞」は今村翔吾氏『塞王の楯』、米澤穂信氏『黒牢城』に決定した。

【第166回芥川賞受賞作品】

『ブラックボックス』(砂川文次/講談社)

『ブラックボックス』(砂川文次/講談社)

【あらすじ】 ずっと遠くに行きたかった。 今も行きたいと思っている。

自分の中の怒りの暴発を、なぜ止められないのだろう。 自衛隊を辞め、いまは自転車便メッセンジャーの仕事に就いているサクマは、都内を今日もひた走る。

昼間走る街並みやそこかしこにあるであろう倉庫やオフィス、夜の生活の営み、どれもこれもが明け透けに見えているようで見えない。張りぼての向こう側に広がっているかもしれない実相に触れることはできない。

気鋭の実力派作家、新境地の傑作。

【プロフィール】 砂川文次(すなかわ・ぶんじ)●1990年、大阪府生まれ。神奈川大学卒業。元自衛官。現在、地方公務員。2016年、「市街戦」で第121回文學界新人賞を受賞。著書に『戦…

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「松坂さんはギラギラした凄みがあった」映画『孤狼の血 LEVEL2』公開記念! 原作者・柚月裕子インタビュー

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(c)2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会

 2021年8月20日公開の映画『孤狼の血 LEVEL2』。前作から3年。待ちに待った続編は、“LEVEL2”と謳われている。サブタイトルを付けずにあえて次のステージへとハードルを上げた今作。原作者の柚月裕子さんにお話を伺った。 (取材・文=野本由起)

 昭和63年の広島を舞台に、暴力団組織の抗争、それを追うベテラン刑事・大上と新人・日岡の死闘を描いた映画『孤狼の血』。あれから3年、オリジナルストーリーの『孤狼の血 LEVEL2』が幕を開ける。アクション、衝撃度ともにレベルアップした同作を観て、柚月さんはとにかく圧倒されたと話す。 「白石監督と脚本の池上(純哉)さんには全幅の信頼を寄せているので、ストーリーについて口を出すことはありませんでした。プロットを読んだ時から『これはハードな作品になるだろう』と楽しみにしていましたが、いざ拝見したら前作とは違った面白さで。前作は、観終えたあとに力が抜けて椅子から立ち上がれなくなりましたが、今回は体から熱が込み上げ、叫び出したくなったほど。自分の限界、映画…

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ついに解き放たれた最凶最悪の“獣”…そして悲劇が/小説 孤狼の血 LEVEL2 ⑤

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2021年8月20日公開の映画『孤狼の血 LEVEL2』。そのノベライズ『小説 孤狼の血 LEVEL2』から全5回で物語の冒頭をお届け。広島の裏社会を治めていた呉原東署の刑事・大上が亡くなってから3年。大上の後を継いだ刑事・日岡によって取り仕切られていた暴力組織だったが、出所してきた要注意人物により抗争の火種が再び沸々と燃え上がろうとしていた。 ※本記事には一部不快感を伴う内容が含まれます。ご了承の上、お読みください。

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 木綿の白布をかぶせた盆ゴザを、男たちがコの字型に取り囲んでいる。  手本引きの盆(賭場)が敷かれている元・尾谷組廻漕の広間は、煙草の紫煙と熱気に包まれていた。尾谷組はもともと廻漕業から身を起こした博徒で、今は使われていないこの建物は、もっぱら賭場として使われている。  盆ゴザの長い一辺の中央に、いかにも博徒といった風貌の胴元。その左右隣りには、ダボシャツとステテコ姿の世話役合力たちが座る。 「さァ行こう」  胴元が無表情…

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「あいた!」  取調室の机に勢いよく頭を叩きつけられたチンタは、思わず悲鳴をあげた。 「いくらアホでもわかるじゃろうがいや。刑事をぶっ刺しといてタダで済む世界がどこにあるんじゃこんボケが!」  チンタの髪を鷲づかみにして押さえつけているのは、友竹だ。 「すんません! ほんますんません!」 「すまんで済んだら、不動産屋はいらんのんじゃ!」  髪を引っ張って顔を上げさせ、すかさずもう一方の手で突き飛ばす。外見は痩せぎすのインテ…

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 二階から、陽気な音楽が漏れ聞こえてくる。  階段を駆け上がった浅井たちは、『MOCHA』の前でいったん足を止め、それぞれ拳銃を手にした。  目配せし合い、いっせいにドアからなだれ込む。  店内は、多くの男性客で賑わっていた。 「どかんかいこら、ぶち回すどっ!」  三村の喚き声は音楽に掻き消された。  ちょうどショーの真っ最中で、ステージでは、セクシーなランジェリー姿のダンサーたちが腰をくねらせて踊っている。  西山が天井…

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『小説 孤狼の血 LEVEL2』(豊田美加:ノベライズ、柚月裕子:原作、池上純哉:映画脚本/KADOKAWA)

 呉原港は、夜のしじまに包まれていた。  小さな漁港に人影はなく、今夜は海猫の鳴き声も聞こえない。内湾の穏やかな波音だけが、時が動いていることを教えていた。  ――いや、もうひとつ、動いているものがある。  防波堤に駐車した、一台の黒いワゴン車の中にいる男たちだ。  運転手を含め前部座席にふたりと、後部座席にふたり。後部座席の男たちは、夜だというのに濃いサングラスをかけている。  派手な柄シャツといい、首にかけたゴールド…

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風に立つ (単行本)

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月下のサクラ (文芸書)

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