何をしようとしても「トカトントン」という音が聞こえて白けてしまう。太宰治の知られざる奇書の擬音語と笑いを考察/斉藤紳士のガチ文学レビュー㉓

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「トカトントン」は絶望の音である。昭和22年に太宰治が発表した短編である本作『トカトントン』は、タイトルこそリズミカルで楽しげではあるがその内容はまさに「絶望」「喪失」「無気力」を描いた深刻な小説であ…

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