うさぎが鼻をヒクヒクさせているときの気持ちは? 一緒に暮らすうさぎの「幸せ」を最大化する方法を学べる1冊【書評】
PR 更新日:2025/1/27

うさぎの一挙一動、愛らしいそのしぐさを眺めているだけで、飼い主は幸せになれるものですよね。人はうさぎに幸せにしてもらっている……。では、うさぎにとっての「幸せ」について、考えたことはありますか?
『うさぎのための最高のお世話』(澤田浩気:著、森山標子:イラスト/新星出版社)は、食事や生活環境の作り方、衛生管理などについて、「うさぎの幸福」を大切にする視点で、獣医師の澤田浩気先生が詳細に解説した1冊。SNSでも大人気のイラストレーター・森山標子さんが担当するイラストもうさぎ好きにはたまらない可愛さなので、楽しみながらお世話の知識が身に付けられます。
うさぎを飼う=結婚!? 健やかなるときも、病めるときもうさぎとともに


本書では、うさぎを飼うにあたっての心構えを「ほとんど結婚」と例えています。適切な温度管理や、毎日のゲージのお掃除、運動をさせるスペースの確保などができるかということはもちろん、「うさぎがこれから15年生きるとして(中略)変わることなくお世話ができそうでしょうか?」と、澤田先生は問いかけます。

本書を読むことで、うさぎを幸せにする条件を満たせているか、飼い主としての責任を見つめ直すきっかけにもなりそうですね。
うさぎの体の仕組みに基づいて、「うちの子」に最適な食事がわかる
お世話の基本である「食事」は、多くの飼い主が悩むテーマでもあります。「うちの子にはどんな食事が合っているの?」「どうしたらおいしくたくさん食べてくれる?」と悩んでいるなら、本書を読めば解決できるかもしれません。


うさぎの歯や消化の仕組みに触れた上で、なぜうさぎの食事は「牧草」が基本なのかを解説しているほか、嗜好性の高い牧草や野菜、おやつをあげる際の考え方、ペレットの調整方法などについてもこまやかに書かれています。

さらに、体型別での考え方も掲載されていて実践的。その子の状態に合わせて食事を調整していく方法を知ることができます。
今うちの子はどんな気持ち? うさぎの心を満たすコミュニケーション術も指南
愛ゆえに、「もっとうちの子の気持ちを理解してあげたい!」と考える飼い主も少なくないのではないでしょうか。犬や猫などに比べると感情表現がわかりにくいといわれるうさぎですが、本来は群れの中で過ごす生きものなので、コミュニケーション能力は高いそう。周囲の状況を感じ取るのはうさぎの生存本能でもあるので、飼い主が向ける感情にも敏感であると考えられています。
「うさぎのコミュニケーション能力を引き出してあげるためには、より良い関係性を築くことが大切」と澤田先生。そのうさぎの気持ちを理解するための足がかりとして、「うさぎのボディランゲージ」も紹介しています。

例えば、「鼻がヒクヒクしている」ときは、周囲で起きていることに好奇心を持っていたり、警戒したりしているそう。反対に「鼻がヒクヒクしていない」ときは、安心しているときや、眠っているときだとか。
他にも、目や耳の動き、姿勢などからもいろんな感情が読み取れるそうですよ。
本書には本稿でご紹介した内容だけでなく、病気の対処法や避妊去勢、老齢期のお世話についてなど、うさぎを生涯にわたって大切にしていくための情報が満載。カラーイラストが素敵なおまけ「うさぎの品種図鑑」も見どころです。
ベテランの飼い主も、これからうさぎを飼おうという初心者にも、きっと役に立つはず。うさぎを幸せにすることで、飼い主も幸せに。そんな関係性を築いていくための、バイブルのような1冊です。
文=三浦小枝
◆新星出版社のライフマガジン『Fun-life!』
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