ワイルドでクールな学校イチのイケメンが平凡な女の子に恋をした。王道少女漫画『黒崎くんは独占したがる』が大人の女性から支持される理由とは?【原作者・著者 対談】
公開日:2025/1/24

学校イチのイケメンと平凡な女の子の恋物語。そんな少女漫画の王道展開で高校生同士のピュアな恋愛を描く『黒崎くんは独占したがる』(桜田霊子:作画、香乃子:原作/スターツ出版)。小説家・香乃子氏が執筆した原作小説が小説投稿サイト「野いちご」で注目を集め、漫画家・桜田霊子氏によって漫画化。2025年1月10日には『黒崎くんは独占したがる』4巻も発売されたばかり。そんな本作の誕生の経緯、おふたりが考えるキャラクターの魅力について伺いました。

――まずは桜田先生が原作を読んだ感想から教えてください。
桜田霊子氏(以下、桜田):とにかく「モカちゃんがかわいい!」というのが最初の印象でした。控え目だけど素直で、怒ったり照れたり感情表現が豊かなのがすごく新鮮で。黒崎くんもすごくかっこいいですよね。モカちゃんのことを理由がないくらい溺愛しているのに、デレデレふにゃふにゃになるのではなくてワイルドというか、クールな感じがあるのが個人的に好きです。
香乃子氏(以下、香乃子):すごく光栄です! ヒロインが控え目で、男の子は学校で一番かっこいい子という設定は最初から決めていたので、そう捉えていただけたのは嬉しいです。
桜田:とにかく主人公ふたりのキャラクターが素敵だと思ったので、漫画でもそこはしっかり伝わるように描かせていただきたいと思いました。

――ヒロインが控え目な子、という設定はどうやって生まれたんですか?
香乃子:黒崎くんの方のイメージを先に固めていて、そこから「黒崎くんだったらグイグイくる積極的な女の子よりは控え目な子の方が合っているかな」と思ったんです。
――先に黒崎くんが生まれたんですね。ビジュアルについては桜田先生が決められたと思うのですが、どうやって決定したのでしょうか?
桜田:黒崎くんは最初に読んだ時、ワイルドかつちょっと色気があるイメージを持って。その時妹がBTSさんにハマっていて、一緒に見ていたらテテ(V)さんがすごく私の中の黒崎くんのイメージに近かったんです。なので参考にさせていただきました。特に三白眼気味なところはテテさんからの影響ですね。
香乃子:そうだったんですね。私は特に黒崎くんに強いイメージは持っていなかったんですが、なんとなく長身黒髪のイメージだったので「イメージ通りだな」と思いました。
桜田:よかったです!

――桜田先生が先ほどおっしゃっていた「キャラクターの魅力を伝える」ために工夫したことはありますか?
桜田:モカちゃんなんですが、読者の方に共感してもらえる子になるように感情表現をわかりやすく描くことを心がけました。とにかく原作を何度も読んで、文章では書いていないところも「ここはどういう気持ちだったのかな」と考えて自分の中で膨らませたり……。あと途中からは、表情を描く上でコミカルなデフォルメを増やしているんです。モカちゃんの良さでもある、自然体で感情が豊かなところをどうしたら表現できるか? と考えた結果たどり着きました。
――香乃子先生は最初に第1話を読んだ時の気持ちを覚えていますか?
香乃子:覚えています。いつもネームの段階で確認のために一度送ってもらうので、第1話も先にネームを読ませていただきました。なので、大体の流れはわかっていましたが、実際完成したものを読んだら「うわぁ!」と感動して。自分が小説を書く時に想像していた表情だったり風景だったり以上のものをいつも描いていただいているので、毎回感動しております。ふたりが付き合う前、ちょっと照れている時の黒崎くんの表情とかすごく好きです!
桜田:ありがとうございます! そう言っていただけてすごく嬉しいです。
