ワイルドでクールな学校イチのイケメンが平凡な女の子に恋をした。王道少女漫画『黒崎くんは独占したがる』が大人の女性から支持される理由とは?【原作者・著者 対談】

マンガ

公開日:2025/1/24

――ネームの段階で、香乃子先生から意見を言うことはあるんですか?

香乃子:あまり言ったことはないですね……。もう「お願いします!」って感じで。信頼しているので、いつも読者視線で楽しく読ませていただいています。

――ネームは桜田先生がおひとりで考えているんですか?

advertisement

桜田:ほぼそうですね。と言ってもほぼ原作通りなのですが、やっぱりページ数に限りがあるので話の流れを少し変えたり、エピソードをまとめなければならない時もあって。そこはすみません、勝手に考えさせてもらっています。

香乃子:全然問題ないです!

桜田:原作が大好きなので、できる限りそのままお届けできるように考えているのですが、今言ったような場合は場所の設定を考え直したりする必要があって。私自身小説が原作のものをネームから担当するのは初めての経験なので、結構悩むことも多いです。

――本作は大人の女性のファンも多いそうですね。原作の小説の時点ですでに胸キュンが詰め込まれていると思うのですが、こういった小説を書こうと思ったのはなぜですか?

香乃子:当時の憧れですね。今まで自分が過去に読んできた少女漫画とか、そういうものを全部ひっくるめて入れちゃったみたいな感じです。実は私が原作の小説を書いたのはもう15年以上も前なんです。当時は携帯小説がすごく流行っていた時期で。それらを読んでいく中で「私も書いてみようかな」と思い始めたのがきっかけなんですが、その頃ランキング上位に入っていたのは主人公が心に傷を負っていたり、重い話が多かったんですね。私はそういうお話よりも「王道の少女漫画」のようなお話が好きだったので、「自分が書くとしたらそういうお話が良いな」と思って書き始めました。

――憧れを詰め込むとしても、それを誰かが読んで、さらに支持されるレベルの作品になるのはすごいことだと思うのですが。テクニックというか「ここはあえてこうしよう」みたいなことは考えませんでしたか?

香乃子:もちろん考えていなくて(笑)。そもそも当時たくさんの人が読むという意識すらなく、自己満足だけを追求して1、2日でバーっと書いたので。今読み返したら文章とかも拙くて……恥ずかしさもあります(笑)。

――王道ということは、展開だけでいうと似た作品もあるという意味でもあると思うのですが、差別化を考えたりはしましたか?

桜田:差別化はあまり考えない、というかむしろ王道を強調していこうと思って描きました。設定は確かに王道だけど、読んでもらったら絶対モカちゃんはかわいいし黒崎くんもかっこいいし「好きになってもらえるはず!」と思っていたので。黒崎くんが学校イチのイケメンでキャーキャー言われていることとか、モカちゃんが普通の子だよっていうところは1話で伝わるように強調しました。

あわせて読みたい