モラハラ男にフラれ、恋がトラウマに… そんな彼女を救ったのは社内一のエリートとの「恋愛リハビリ」!? 【書評】
PR 更新日:2025/1/28

女性の中におそらく一定数いる、いわゆる“恋愛下手女子”。付き合ってみたら彼氏がDV気質だった。好きになるのは既婚者か、あるいはこちらに依存するヒモ体質な人ばかり。自分に男を見る目がないのはわかってる。でも、幸せな恋愛を諦めたくない! そんな女性にとってまさに理想の存在、それが『塩見くんとはじめる恋のリハビリ』(koikoi/DPNブックス)に登場する会社員・塩見だ。

本作の主人公・百瀬は社内恋愛の相手であり、DV気質のあった元カレ・敬吾に「つまらない」という理由でフラれて以来、恋愛にトラウマを抱えるハメに。

挙句の果てに別れた敬吾が社内で自分の悪口を同僚に言いふらしている場にたまたま立ち会ってしまい、大きなショックを受けてしまう。しかしその場で敬吾に反論し、百瀬のメンツを守ったのは、社内でもエースと名高い後輩営業マンの塩見だった。当初は苦手意識を抱いていた彼を見直した百瀬。だがなんとその後塩見から「俺と恋愛のリハビリ、しませんか?」と提案されてしまい──?

本作の見どころのひとつが、「恋愛のリハビリ」だったはずの百瀬と塩見の急接近だ。塩見からの(半ば強引な)提案で「仮の恋人」として、カップルらしい行動を積み重ねていくふたり。だが塩見のスパダリっぷりに、百瀬は戸惑いながらもどんどん彼に惹かれてしまう。
おそらく百瀬だけでなく、物語を追っている読者の大半が「こんなの好きになるに決まってる!」と思ってしまうはず。そんな仮の恋人関係のはずが、とある状況下で塩見は大勢の社員・同僚の前で百瀬のことを「自分の彼女」だと公言してしまう。
塩見の「本気度」を感じると共に、社内中の憧れの的である塩見がそんな発言をして大丈夫!? と、あなたも百瀬と同様のドキドキ感を味わえること間違いなし、だ。

また本作はそんなふたりの恋模様と同時に、元カレ・敬吾をはじめとした、意地悪な人々へのスッキリする勧善懲悪が楽しめる点も魅力のひとつだろう。百瀬の人の良さを逆手に取る、いわゆるモラハラ男な敬吾。彼は塩見に大勢の前でメンツを潰されるのみならず、百瀬と付き合っていた時期に二股相手だった森咲にまでフラれるハメに。
だがこの森咲も、百瀬の恋人と知っていながら敬吾に迫った性悪女である。自分より「女として下」な百瀬を見下し、彼女にマウントを取るべく敬吾を奪った彼女。そんな森咲が当然、百瀬と新たに付き合い始めた社内一のエリート・塩見の存在を見過ごすはずがない。

はたして森咲は、一体どんな手を使って塩見に迫るのか。その中で今度は彼女が、どのような形で返り討ちにあうのか? そんなスカッと感や、勧善懲悪が期待できるストーリー展開も読者の心を掴むことだろう。
「恋愛のリハビリ」として付き合い始めた百瀬と塩見。だがふたりはまるで、本物の恋人のように距離を縮めていく。彼女らは今後どのように関係を築いていくのか。そして「リハビリ」を終えたふたりは、一体どんな関係になっていくのか? 恋路の行方を最後まで見逃せない!