本名も顔も知らないけれど友達ですか?SNSでつながっていた人が亡くなる現代のヒューマンドラマに涙する人が続出!【漫画家インタビュー】
更新日:2025/2/3

最新の書籍や人気の漫画作品の情報を発信する「ダ・ヴィンチWeb」。今SNSを中心に話題を集めているホットな漫画を、作者へのインタビューを交えて紹介する。本記事では、SNSで何度も交流していた人が亡くなり、そのお葬式に参加するところからはじまる作品『友達だった人』を紹介する。
作者・みや(@tukutyan)さんは、コミティア(自主出版した本の展示即売会)での作品発表にあわせて2024年2月に同作をX(旧Twitter)に投稿。そのポストは1.2万いいねとともに多くの反響コメントが寄せられた。この記事では、みやさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについてを語ってもらった。
顔も本名も知らない。ただSNSでやりとりしていた彼女との関係とは
彼女とはSNSで頻繁にやりとりをしていた。年齢も住んでいるところも近いようだったけれど実際に会ったことはない。そして、彼女が重い病をわずらっていることも知っていた。
病状の悪化にともない、次第にSNSの投稿内容は変わっていく。そしてある日、彼女の妹の手による投稿で、彼女が亡くなったこと、そしてSNSでつながりのあった人にも葬儀に参加してほしい意向があったことを知る。顔も見たことがない彼女にとって自分はどんな存在だったのか。自分にとって彼女はどんな存在だったのか。これまでの彼女とのやりとりをぽつりぽつりと思い出しながら、この場にいることが正しいのか結論が出ないまま、主人公は葬儀に参加する。SNSでつながりあうことが普通になった今だからこそ、改めてその関係について考えなおすきっかけになる作品だ。
こだわったことは「普段、考えていることをあまり装飾しない」こと
ーー『友達だった人』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
お友達がコミティアに誘ってくれたので、1冊何か作ろうと思い、当時つながっていたTwitter(現X)のお友達のことを題材に描きました。
ーー本作を描くうえでこだわりや、「ここを見てほしい」ポイントはどんなところですか。
自分が普段考えていることや言葉にしてることをあまり装飾しないでそのまま描くことにこだわっていたような気がします。
ーー特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
最後の1、2ページはうまく描けなくて入稿する寸前まで何回も描きなおしたところなので、思い出深いです。
ーー今作はSNSがテーマですが、コロナ禍をへて創作にたいするスタンスに変化はありましたか。
コロナ禍がきっかけで思うところがあり、最近退職しました。孤独感を感じている中でSNSにも助けられ結果的に作品にも反映されたと感じています。
ーーインスタやnoteでは丸みのある絵柄の作品が掲載されていますが、写実的なものとデフォルメされたもの、どちらの絵柄の方がお好きなのでしょうか。
どちらも好きです(笑)。丸みのある絵柄で漫画を描けたらいいなとも思うのですが、現時点ではその技術がないので描きやすい絵柄を採用してる感じです。
ーーとても素敵な作品を生みだされているので、ぜひ商業にも挑戦してほしいのですが、そういった展望があれば教えてください。
自分が描きたいもの(描けるもの)を1個ずつ作って いくのが今の目標で同人と商業も含めて自分に向いてる場所でそれが叶うように模索したいと思っています。
ーー SNSで『霧尾ファンクラブ』(地球のお魚ぽんちゃん/実業之日本社)がお好きと書かれていましたが、今後、コミカルな作品にも挑戦する意向はありますか。
霧尾ファンクラブみたいな絵が綺麗でコミカルで切ないお話が昔から大好きなので、今後目指したい作品の1つになっています。
ーー今後の展望や目標をお教えください。
私の友達が楽しんでくれるような身近なテーマのお話を今後も描いていきたいと思います。
ーー最後に、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
この作品の感想を読むたびに心にあたたかい灯りがつくような気持ちになっていました。色んな言葉で伝えてくださったことがとても嬉しかったです。また楽しんでいただけるような作品を描けるように精進します。