その名をよく目にする「港区女子」。一般的に、東京都港区を拠点にし、ハイスペックな男性たちとセレブのように過ごす女性たちの総称として使われている。

　そんな港区女子たちの実態をオムニバス形式で描いたのが『私が港区でナンバーワン　自称Sランク港区女子、承認欲求の果てに破滅する』（親方CHANNEL：原案・監修、釈氏とおる：漫画/KADOKAWA）だ。自らを「港区女子ウォッチャー」と名乗る親方さんが、港区女子たちの生態を赤裸々に描く。

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　本作に登場するのは、強烈な個性を持った港区女子たち。

　芸能人やインフルエンサーなど、ハイスペックな男性と付き合ってはSNSで自慢するのが大好きな美雪。ブレイク直前のアイドルと付き合うことになった美雪は、「匂わせ」だけでは我慢できず裏アカで暴露を開始。その様子が拡散されてしまい…!?

　その他にも、芸能界や会員制デートクラブなどを舞台に総勢5人の女性が登場。彼女たちはあり余る承認欲求にのみ込まれ、やがてその身を崩していく。それぞれの身にどんな災難が降りかかるのか。ぜひその目で確かめてみてほしい。

　ブランド品に身を包み、高級な食事をし、派手な遊びを繰り返す華やかな生活に憧れる人も多いだろう。それらを叶えるため、パーティーに積極的に足を運んだり、キャバクラで働いたり、SNSをこまめに更新したり…。彼女たちはささいなチャンスも逃さずに、常に全力で自分を売り込む。

　その向上心や行動力には感服するばかりだ。

　原案・監修の親方さんも語るように、この意志の強さが別の方向に働き、承認欲求を上手くコントロールできていれば破滅ではない結末もありえたのでは、と思ってしまう。

　港区女子に限らず、強すぎる承認欲求を満たそうとしたり他者を蹴落としたりする行為は、自らの身を滅ぼしてしまう。港区に生きる人間でなくとも、彼女たちの結末を心に留めておきたい。

文＝ネゴト / fumi