「ゲーム機グッジョブ!」奥手な少年の告白をゲーム機がアシストする甘酸っぱい漫画が話題【漫画家インタビュー】
公開日:2025/2/13

最新の書籍や人気の漫画作品の情報を発信する「ダ・ヴィンチWeb」。今SNSを中心に話題を集めているホットな漫画を、作者のインタビューを交えて紹介する。
ゲームセンターの店員さんに恋する少年とその告白を応援するゲーム機を描いた作品『ゲーム機だって恋を応援したい』をピックアップ。作者の野愛におし(@nioshi_noai)さんは、X(旧Twitter)にて「#漫画が読めるハッシュタグ」というハッシュタグをつけて同作を投稿。素朴でほっこりする物語に反響が集まり、野愛におしさんの作品のなかでも長く愛される人気作となっている。
この記事では、野愛におしさんにインタビューを行い、作品のこだわりやゲームセンターにまつわるエピソードを語ってもらった。
告白の勇気が出ない少年をゲーム機が応援
少年はゲームセンターの店員さんに片想い中。何度も告白しようとしているのに勇気が出せず言えない日々が続いていた。「今日という今日は告白すると決めた!」と意気込むが、タイミングを逃してまた言えずじまい……。そんなとき、突如、目の前のゲーム機がコンティニュー画面に切り替わった。
ゲーム機が告白を応援する斬新さと、少年の葛藤の描写が丁寧で読んでいるこちらも応援したくなる。ラストのコマで映し出されるメッセージがあたたかく、やさしい気持ちになれる作品だ。
「ゲーム機」と表現したのは幅広い層に読んでもらうため
ーー『ゲーム機だって恋を応援したい』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
ビデオゲーム筐体というのは、大事に扱ってくれるお客さんやお店の方の手入れのおかげで、実はとても長い年月稼働しています。その中で多くのお客さんを見てきているに違いないので、「もしかしたら、こういうシーンも数件見ているのではないか」と思い創作しました。
ーー同作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはありますか?
細かい部分ですが、ゲームで遊んだことがある人はこの機械を「アーケードゲーム筐体」「ビデオゲーム筐体」「筐体」等の呼び方をします。ですが、読んでほしい層が普段ゲームセンターに行かない方も含まれていたので、キャプションで「ゲームセンターに置いてあるゲーム機のことだ」と分かるように、ここでは「筐体」と呼ばずにあえて「ゲーム機」と表現しました。
ーー作中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
1ページ目から2ページ目に進んだときに、いきなり大ゴマでアクシデントに見舞われるのですが、そのテンポ感が気に入っています。左ページ開始を意識して描いているので、1ページから2ページはガラッと印象が変わったり大きな出来事を起こしたりするために、大ゴマを1コマ目に持ってくることが多いです。今作は最近描いた中でもかなりギャップを持たせられたと思っているので、お気に入りです。
ーーもしゲーム機に応援されるとしたら、どんなことを応援してほしいですか?
落ち込んだときなどに応援して励ましてもらいたい……と思いましたが、筐体が元気に稼働して楽しく遊ばせてもらえるだけでかなり元気になります。ですので、願望という形で語らせていただきますと、疲れたときに突っ伏してちょっと寝て、楽しいゲームの夢を見させていただきたいです。こればかりはお店ではできないので、純粋に家に1台欲しいです。(小さいサイズのものなら所持しているのですが)
ーー今後の展望や目標をお教えください。
現在、漫画の仕事とイラストレーターの仕事をしています。どちらも大好きで両立させたいので、両方ともさらにスキルアップできるように練習を重ね、見た方や読者の方に一段と喜んでもらえたり楽しんでもらえたりできるように頑張りたいと思います。
ーー作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
これからも楽しんでいただけるような作品をたくさん作ってまいります。また、いろいろなことにも挑戦していこうと思っておりますので、どうぞ今後とも応援のほどよろしくお願い申し上げます。