大きすぎる靴下が履けるようになった!? そんなに急成長する訳がないと確認すると… 笑わずにはいられない! おもしろ家族コミックエッセイ【書評】
公開日:2025/2/22
子育てのあるあるに共感したり、かわいい子どもの成長を見てほっこりしたりできるのが育児コミックエッセイの魅力のひとつだ。子育ての方針や子どもの育ち方はさまざまでも、育児をしたことのある人なら「うんうん」と大きく頷いてしまう内容も多いだろう。
それらのコミックエッセイには個性豊かなキャラクターたちが登場し、日々の小さな出来事や予想外のハプニングがユーモアたっぷりに綴られている。また、作者が育児を通じて感じた悩みや喜びがストレートに伝わり、共感を覚えるだけでなく、「自分だけじゃないんだ」と励まされる読者も多い。そこで本稿では、思わず吹き出してしまう育児や家族の日常を描いたコミックエッセイ作品を5つご紹介したい。
まとめ記事の目次
小学生エムモトえむみの勝手きままライフ
プリンセスお母さん
子育てしたら白目になりました
令和妊婦、孤高のさけび! 頼りになるのはスマホだけ?!
フリースタイル家族
小学生エムモトえむみの勝手きままライフ

同じ家の子どもでも、それぞれ違った個性を持っている。『小学生エムモトえむみの勝手きままライフ』は、エムモト家で起こるクスッと笑える日常を描いたコミックエッセイだ。エムモト家は、作者のえむふじんと夫のえむし、長男のえむお、長女のえむこ、次女のえむみの5人家族。作中では、自由人のえむみを中心とした爆笑エピソードが繰り広げられる。
中でも、祖母に買ってもらったお気に入りの靴下を履くエピソードがおもしろかった。祖母に買ってもらった靴下は、えむみが履くにはまだ大きかった。後日、「足大きくなったわ〜」とその靴下を履いたえむみが登場。そんな数日で大きくなるわけが…と疑うえむふじんだったが、後ろを向いたえむみの靴下の踵はかなり上にあって…。
明るくノリが良いエムモト家の日常にクスッと笑えるはず。“育児あるある”もたくさん詰まっていて、元気がもらえる1冊である。
プリンセスお母さん

著者である並庭マチコ氏のお母さんの日常を描いた『プリンセスお母さん』は、爆笑実録ギャグコメディだ。主人公・ママ子は、普通の主婦でありながら職場からは「姫」と呼ばれ、貴族さながら振る舞う個性的なお母さんである。ママ子の天然な要素もあり、ぶっ飛んだ家族の様子がおもしろい。
特にセンスがいいなと思ったのが、娘が家から出かけるシーンだ。ママ子の「領地の視察ですか、姫? 民の様子をご覧になるの?」というセリフがある。実際はただの散歩に出かけるのだが、こんなセリフをお母さんが言うなんて、楽しい家族であることは間違いない。
職場でもこのキャラクターが受け入れられているようで、ママ子のコミュニケーション能力やギャグセンスも素晴らしい。こんな素晴らしい能力の持ち主が身近にひとりでもいたらいいのになと思わせてくれる。気分が沈んでいる時にも、本作を読むことで明るい気持ちになれるだろう。
子育てしたら白目になりました

『子育てしたら白目になりました』は、白目がトレードマークの白目みさえ氏が“子育てあるある”のイライラを豪快にツッコミを入れバッサバッサと斬り捨てていく。「育児」はもちろん、「夫」や「義母との生活」もみさえ節で斬っていくのは、実に爽快である。
誰もが共感できるであろうエピソードが詰まっているのは、「夫」編だろう。特に、子どもが急に熱を出してしまって、みさえ氏が保育園にお迎えに行くシーンは読みながら、何度も大きく頷いてしまった。子どもの体調不良で保育園から連絡があり、連日出勤早々早退することになるのだが…。「いつもお迎えは母の仕事ではない!」と夫にツッコミを入れているのを見たら、共感の嵐ではないだろうか。
強烈な白目のキャラクターは一目見たら忘れられない。そのインパクトだけでなく、育児の苦楽がユーモアたっぷりに描かれた本作は、疲れたママに笑いと元気を届けてくれるはずだ。
令和妊婦、孤高のさけび! 頼りになるのはスマホだけ?!

令和の時代に妊娠出産を経験した人であれば、コロナは避けて通れなかった道だったのではないか。周囲との関わりが遮断され、オンライン対応が中心になった影響は、妊婦にも大きな負担を与えたようだ。 「はちみつコミックエッセイ」より刊行の『令和妊婦、孤高のさけび! 頼りになるのはスマホだけ?!』は、スマホに翻弄されながらの妊娠や出産、育児を描いた育児コミックエッセイだ。
主人公は、テレビ局に勤めながら漫画を描いている真船佳奈氏。コロナ禍で孤独だからこそ、ネットの情報に目を向けてしまう。産院自体は母乳推しではなかったものの、ネットの情報に翻弄され、母乳信仰の思いが強くなってしまうのだ。夫の世界とも分断されてしまったようで――。「こうあるべき」という育児の固定観念に苦しんでしまうが、身近にいる人たちの温かさで辛い固定観念から解放されていく。
そんな孤独で苦しい闘いを描いた作品ではあるのだが、実にユーモラスに描かれている。自分らしい育児スタイルを見つけ、新人ママとして成長していく姿は、同じく新人ママであったり、これから出産する人たちの心強い味方になってくれるだろう。
フリースタイル家族

『フリースタイル家族』は、普通の主婦であるツボウチ氏の日常をシュールに描いたコミックエッセイだ。イラストからもシュールさが伝わるだろう。ツボウチ氏の関西弁でのツッコミも絶妙で、いつの間にかツボウチワールドに引き込まれてしまう。
中でも、ツボウチ家のモーニング・ルーティンには「わかる〜」と声に出してしまった。早朝から、ツボウチ氏が息子に激しく起こされるシーンだ。顔を叩かれたり、頭突きをされたり、蹴られたり…1歳未満の子どもがいる家庭なら、きっと誰もが一度は経験するこの内容に思わず笑ってしまった。
他にも、“育児あるある”だけでなく、“日常のあるある”が詰まっている本作に吹き出さずにはいられない。ゆるい絵柄も相まって、本作を読めばきっとほほえましい気持ちになれるはずだ。
思わず笑ってしまう家族の日常を描いたコミックエッセイ、あなたも読んでみてはいかがだろうか。