「小学生のメイク」は必要? 肌トラブルは? メイクアップアーティスト・イガリシノブが「メイクは子どものコミュニケーション力アップになる」と断言する理由《インタビュー》
公開日:2025/2/9
今の時代の「かわいい」を形にする涙袋のメイクにこだわり

――イガリさんは動画でもキッズメイクを伝えていらっしゃいますが、今回、本として1冊にまとめようと思われたのはなぜだったのでしょうか?
イガリ 私、メイク本は、前に出した本で引退かなと思っていたんです。メイクを伝えるには動画がわかりやすいし、紙で読む情報は美容雑誌から得られますし。でも、小学生のメイク本は紙の本にする意味があると思いました。なぜかというと、写真も、現像したものをアルバムにして見るほうが心に残りますよね。私たち世代は紙の大切さを知っているし、親子で楽しむなら書籍がいいと思いましたね。
――この本の作り方や見せ方で特に工夫したところはどこですか?
イガリ メイクのステップにはこだわりました。娘と一緒に料理本を見て、「基本はお米を研ぐことだよね」と話していた時に、「子どもたちがメイクするなら第一ステップって何かな?」と聞いたら、「リップをはみ出さないで塗ることじゃない?」って答えてくれて。確かに私もヘアメイクで、チークは難しいけど、リップって形が決まってるし色もわかりやすいから簡単だよって言ってるんですね。それをふまえて、第1ステップはリップに決めました。
次の第2ステップには、涙袋を入れたんです。今の時代じゃないタイミングでメイク本を作るとしたら、リップの次はチークになったと思います。でも、今の子どもたちがメイクに興味を持つのは、TikTokとかインスタでお姉さんたちを見て「かわいい」と思うから。そしてその「かわいい」のポイントがどこにあるのかというと、涙袋なんですね。涙袋メイクを紹介しなければ、メイクをしたいと思ったきっかけの「かわいい」を作れない。時代が変われば涙袋のメイクはいらなくなるかもしれないけど、今を生きる小学生たちが、「この時代はこれがトレンドだったよね」って言える本にしたかったんです。