テディベアが敵を圧倒!その正体は、強力な魔法を駆使する“史上最強の大賢者”【書評】
公開日:2025/2/21

かつて“史上最強”と呼ばれた大賢者は、魔王を封印するためにすべての魔力を使い、300年後に転生を果たす。魔王との再戦を願うも、転生先はまさかのテディベアだった…。
『史上最強の大賢者、転生先がぬいぐるみでも最強でした THE COMIC』(森みさき:漫画、ジャジャ丸:原作、わたあめ:キャラクター原案/マイクロマガジン社)は、テディベアに転生した元大賢者・ラルフと、魔法使い見習いの少女・ティアナが活躍する異世界転生ファンタジーである。
転生後、魔力を失っていたテディベア姿のラルフは、ティアナに触れることで大賢者としての力を取り戻すことに成功。領主の娘であるティアナと共に、領土間の争いや陰謀に立ち向かっていく。
ラルフは、可愛らしい(?)テディベアの姿をしているが、伝説の大賢者としての実力を余すところなく発揮する。魔法だけでなく、知識や戦術を駆使してSランクの敵を圧倒する彼の無双ぶりは、読んでいて爽快だ。小さなぬいぐるみ姿で巨大な敵を打ち倒すギャップに、思わず目を奪われてしまう。
そんなラルフの活躍を支えるティアナの成長もまた物語の見どころだ。未熟ながらも前向きに進んでいく彼女の姿は、読者に勇気を与えてくれるだろう。ティアナを見守るラルフを見ていると、どこか兄妹のような雰囲気も感じ、心が温かくなる。
真剣な戦闘シーンの合間に繰り広げられるラルフとティアナのやりとりや、ぬいぐるみならではのユーモラスな場面には思わずクスっとさせられる。笑いを誘う場面がちりばめられたストーリー展開も、この作品の大きな魅力だ。
ファンタジー好きや転生系に目がない人はもちろん、肩の力を抜いて楽しみたい人にもぜひおすすめしたい。主人公が無双する爽快感はもちろん、キャラクターたちのハイテンションなやりとりが、癒しと笑いを届けてくれる。
文=ネゴト / mimu