塩対応の上司が、自分だけに見せてくれる甘い顔… ひたむきに頑張る人に癒しをくれるマンガ『塩系上司が甘すぎる』【書評】
PR 公開日:2025/2/26

日々真面目に頑張っているけど誰にも褒められない……。褒められたくて頑張っているわけではないけれど、時々虚しくなることも。そんな時こそマンガに癒しを求めてみませんか? 『塩系上司が甘すぎる』(泉条ちえり:漫画、ガジュマル:原作、風華弓弦:シナリオ/DPNブックス)はそんなあなたをときめかせてくれる作品です。
本作の主人公・唐田しおりは入社3年目。生真面目な性格に資材調達購買部での仕事が肌に合い、日々在庫のチェックや仕入れ業務など地道な仕事を黙々とこなします。
しかし3カ月前に天野課長が来てから部の空気は一変。なぜなら30歳という若さで課長職につくエリートイケメンな天野課長ですが、歓迎会も拒否し、全員に塩対応を貫くせいで部内は氷点下に。早速、周りから浮いてしまっているようでした。
そんな部長にみんなの前で呼び出されたしおり。てっきりミスをして怒られるのではと思ったら、報告書の素晴らしさ、日々の仕事の丁寧さを褒められます。「ただ冷たいだけの人じゃなかった」と課長への認識を改めたしおりは、この時から課長のことを意識するように。


でも課長は社内でも美人と噂される女性に狙われるほどのハイスぺイケメン。自分なんかとどうにかなりっこない、と諦めるしおりですが、いきつけの居酒屋で偶然課長に遭遇し……。
ウブすぎるご褒美にきゅん
ストイックすぎて自分で自分を甘やかすことができないしおりに、「俺が君を甘やかそうか」とご褒美をくれると言い出す課長。

ドキドキしすぎて少しよからぬ妄想をしてしまうしおりですが、実際に提案するご褒美は「握手してほしい」「課長のサインがほしい」とかなりピュア。しかももはや“ご褒美”というワードだけでドキドキが止まらないしおりがかわいい!
謙虚な上にリアクションもかわいいしおりに課長はどんどんハマっていきますが、それに気づかないのもまたかわいい。

ときめきを求めて読み始めたはずが、気づけば課長目線で読んでいることもしばしば。そのくらいしおりのキャラクターに癒されます。
普段はスマートな課長のギャップにときめく
ピュアなしおりに比べ、課長はどこまでもスマート。ドライブデートに誘ってくれたりとしおりをリードします。誰もが羨むイケメンとのオフィスラブ。そんな設定のマンガは多くありますが、みんなに塩対応の課長がだんだんしおりにだけ甘くなってくるのが本作の肝。いつも硬い表情なのに、しおりにだけ時折見せるようになる笑顔はまるで少年のよう。読んでいるこちらもときめきます。

とあるきっかけで、しおりは同期の男性・須賀とも関わりを持つように。するとふたりのことが気になる天野課長。「浮気したでしょ」とストレートにやきもちをやいたり、ふたりの会話に割って入ってきたりと途端にスマートじゃなくなります。ふだんは大人な課長の意外なギャップから、しおりを思う真剣な気持ちが伝わってきて、どんどんふたりを応援したくなってくるのです。
親睦会という名の社内旅行でどんどん距離が縮まるふたり。ライバルも現れて一筋縄ではいかない恋模様が展開しますが、しおり&課長のかわいさは常に健在! 疲れた時の“ご褒美”に、ぜひ手に取ってみてください。
文=原智香