結婚破棄直後に15歳に転生!?未来が見える令嬢が侍女を目指す再起の物語【書評】

マンガ

公開日:2025/3/14

やり直せるみたいなので、今度こそ憧れの侍女を目指します!』(宇海みづ:漫画、一分咲:原作、茲助:キャラクター原案/キルタイムコミュニケーション)は、運命に翻弄されながらも、自らの力で未来を切り開く令嬢のやり直し物語だ。胸を打つストーリーを彩る魅力的なキャラクターたちが、読者を物語の中へと引き込む。

 物語の主人公は、未来をのぞく能力「時属性」を持つ子爵令嬢・エマ。「時渡り」として国のためにその能力を使い続けてきた彼女だったが、10年間の任務を終えたその日に幼馴染で婚約者の男性から婚約破棄を言い渡されてしまう。絶望の中で眠りについた彼女が目覚めると、なんと4年前――15歳の自分に戻っていた。

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「今度こそ自分の夢を叶えたい」――。エマは“時属性”に縛られた人生から解放され、今世では憧れの侍女・サニーのように優秀な侍女になることを目指す。

 本作の魅力の一つは、エマが「自分らしさ」を取り戻していく姿だ。前世では国のために生き、自由を制限され、感情を押し殺してきた彼女が、自分の夢に向かい、行動していく姿は爽快で心に響く。彼女を取り巻く人々も物語の展開を大きく動かす。特に前世とやり直し後の世界の両方で関わるグレン公爵の存在。謎めいた彼が、エマの「やり直し」にどのように関わっていくのかは大きな見どころの一つだ。

 さらに、魔法、そして未来を見通す能力「時属性」の設定が織り込まれた幻想的なファンタジー世界も物語に深みを出している。“時属性”の力が物語にどのような影響を与えるのか、ページをめくる手が止まらなくなるはずだ。

 壮大な世界観と主人公エマの成長を描いた、『やり直せるみたいなので、今度こそ憧れの侍女を目指します!』は、人生をやり直し、本当にやりたいことに挑戦する勇気をくれる一冊。手に取って、エマの新たな物語を応援してほしい。

文=ネゴト / すずかん

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