少年サンデー編集長「コナンの本筋は“黒ずくめの組織との戦い”ではない!?」。ヒット作連発の根底にある「面白がることの大切さ」【大嶋一範インタビュー 前編】

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公開日:2025/3/19

「本当に自分が面白いと思えているのか?」

ーー編集長になった現在は担当作品をお持ちではないのでしょうか?

大嶋:僕が担当を持つと、どうしても皆さんに不公平感を与えてしまうような気がして今は持っていません。他誌の編集長さんは「部員たちに背中を見せなければいけない」ということで担当作がある方もいるようですが、それはスタンスの違いですね。

ーー大嶋さんは過去のインタビューで「若い編集者の感性を大切にしたい」と仰っていました。後進に道を譲るような意図もあるのでしょうか。

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大嶋:大前提として、サンデーの想定読者を10~30代と考えると、同世代の編集者が面白いと思うものは読者も面白いはずなんです。だからこそ、先ほどのコロコロコミックの話と同じで「本当に自分が面白いと思えているのか?」が大切で、僕はそれを問いかけ続けたいと思っています。

ーー編集長として、会社の上長として、若手編集者のモチベーションを上げるために何か意識していることはありますか?

大嶋:自分がマネージャー役として楽をしているポイントなんですが、いまのサンデーの現場編集者は、本当に熱意と実力があるメンバーが揃っていて、彼らは僕が何も言わなくてもめっちゃ頑張ってくれるんです。「もっとやる気出せよ」みたいに叱ったことは一度もないですね。みんな週刊少年誌という凄く過酷な土俵で戦っていて、「ジャンプやマガジンやチャンピオンに勝ちたい。作家さんと、より話題になる作品を作りたい。面白いものを一緒に作りたい」という想いがあるんですよね。

ーーなるほど。やはり皆さん、サンデーがやりたくて小学館に入られた方が多いのでしょうか。

大嶋:いや、それはわからないですけどね(笑)。ただ、所属している以上、ライバル誌が話題作をどんどん作ったりするのを横目に「サンデーという雑誌、うぇぶりというアプリを勝たせたい」という気持ちは全員強く持っていると思います。

取材・文=金沢俊吾、撮影=干川修

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