時空を超えるフロ漫画、新章開幕! 前作完結から20年。浴場技師・ルシウスの新たな挑戦は、ローマの問題を「日本の温泉」で解決すること!?『続テルマエ・ロマエ』
PR 公開日:2025/3/5

原作漫画、実写映画、アニメ……すべてが大きな話題となった大ヒット作品に待望の続編が始まった。『続テルマエ・ロマエ』(ヤマザキマリ/集英社)である。
前作『テルマエ・ロマエ』(KADOKAWA)は、古代ローマ時代の浴場設計技師・ルシウスが時間と場所を超えて、現代日本の風呂を体感。ローマと日本の入浴文化におけるカルチャーギャップをコメディタッチに描いたフロ漫画である。「マンガ大賞2010」「第14回手塚治虫文化賞短編賞」を受賞し、2度のアニメ化と、阿部寛さんの主演で2012年と2014年に実写映画が公開された人気作だ。
そんな『テルマエ・ロマエ』の最終回から20年の月日が流れたところから「続」の物語は始まる。
古代ローマの浴場から現代日本の“温泉”へ再びタイムスリップ
紀元158年、ローマ帝国は先のハドリアヌス帝からアントニヌス・ピウス帝の統治下に変わり20年目を迎えていた。主人公のルシウスはかつて、平たい顔族の国、つまり日本とローマを超常的な力で行き来し、日本の入浴文化を取り入れた浴場をいくつも作り上げて名を馳せていた。しかしこの時代にルシウスが好む入浴そのものを楽しむ浴場は時代遅れとなり、彼は仕事を失いつつあった。
前作の完全な続編でワクワクする。だが心配なのが、ルシウスはもはや腰痛を持った老人になっていることだ。さらに、彼と時空を超えたロマンスの末に結ばれた妻・さつきは謎の失踪を遂げており、彼女との間にもうけた息子・マリウスとの関係も良好とは言い難かった。苦境に立っているルシウスだが、ある日、ピウス帝から直々に皇帝の出身地にある浴場の再建を依頼される。
引き受けたはいいものの、老朽化した施設は一筋縄ではいかない。以前ならルシウスの悩みの先にはいつも平たい顔族の風呂があり、そこでヒントを得ていた。しかしこの20年、彼とあの世界との繋がりは切れておりローマと日本とを行き来できなくなっている……などと考えていると、足を滑らせて浴槽に倒れ込む。そして、湯から起き上がると目の前には平たい顔族が! そう、再びルシウスは日本に来られるようになったのだ。時空を超えるフロトリッパー・ルシウスの復活である。
老浴場技師は寄る年波に勝ち、幸せな家庭を取り戻せるか?
前作のテーマは「風呂」であったが、『続テルマエ・ロマエ』のテーマはずばり“温泉”。日本のさまざまな温泉文化を吸収したルシウスは、以前のようにローマの浴場を画期的なものに変えていく。しかもルシウスはさつきと結ばれたことで多少日本語が話せるようになったため、平たい顔族たちとより深いコミュニケーションを取り、さらに笑える展開を見せてくれる。
さつきと息子のマリウスとの関係もポイントだ。本作では妻の失踪が浴場技師としてやる気を失った一因とされていた。しかし前述の通り妻の故郷へまた行けるようになり、ルシウスはローマきっての技師だったかつての輝きを取り戻していく。そうして、同じ浴場技師を目指すマリウスとの関係に光明が見えてきて……。
ただ、さつきが一体どこへ行ったのかは不明だ。単行本2巻までの展開では、彼女の行方はわからないため、今後の展開に注目だ。
最後に、本作でルシウスが訪れる温泉のモデルをいくつか紹介。各エピソードの最後に掲載されているそれぞれの温泉について、作者のヤマザキマリ先生によるコラムも必読だ。
・八幡平後生掛温泉(秋田県)
・伊せや(和歌山県)
・西山温泉元湯蓬莱館(山梨県)
・福田家(静岡県)
・龍神温泉上御殿(和歌山県)
温泉好きなら見逃せないこれらの特徴的な湯や施設が、古代ローマではどのような形になるのか。ぜひ手にとって確かめてほしい。
文=古林恭
