生きていても仕方がない、生きている資格も愛される資格もない。だって私は――。「小説家になろう」発の異世界ラブストーリー『傷痕王子妃は幸せになりたい』のコミックス最新5巻が、2025年3月5日（水）にリリースされる。

同作は、原作者・えとう蜜夏が「小説家になろう」にて連載していた『傷痕王子妃と虐げられて世を儚みましたが、今度は幸せになりたい』をコミカライズした作品。累計発行部数20万部超の人気作で、とりわけ電子版の売上が絶好調だ。

　物語は、主人公のリリーシアがバルコニーから突き落とされる衝撃的なシーンから幕を開ける。リリーシアはランザール王国の筆頭公爵家であるバルトロイ家の末娘で、11歳のときに王国の第二王子・ハロルドと婚約を交わして正妃になるなど順風満帆な人生を送っていた。

　ところが12歳の時、突如として王宮へ向かう馬車が襲われリリーシアを庇った侍女・ケイトが命を奪われてしまう。その後誘拐されたリリーシアは命こそ無事だったが、傷つけられた顔の左側と足首に傷痕が残ってしまい、やがて「傷痕王子妃」として虐げられるようになる。

　その果てにバルコニーから突き落とされて命を落としたのだが、目を覚ますと10歳のときの自分に。そして今度こそ幸せになりたいと願いながら日々を送っていたが、あるとき過去の自分と同じ傷を負った辺境伯子息・イーサンと出会い――。

　いわゆる“やり直し”の物語である同作。悲劇を回避するべく企てた「田舎引きこもり作戦」の過程でイーサンと巡り合ったリリーシアは、彼が身代わりになってしまったのでは……と思い、気に掛けるようになり、やがて婚約することになる。

　かくして幸福な人生を取り戻しつつあったリリーシアだったが、物語が進むにつれて“やり直し”以前の因縁が襲いかかってくる。そんな過酷な運命の試練に立ち向かっていく二人の姿に、多くの読者が胸を熱くさせているようだ。

　今回リリースされるコミックス最新5巻では、いよいよ物語がクライマックスを迎える。イーサンたちが黒幕の真実に近づいていく中、王国の建国百周年式典の日に大いなる災いが訪れてしまう。“やり直し”の果てには、いったい何が待っているのか――。

　物語は今巻で完結となるが、次巻では番外編が収録される模様。さらにリリーシア役に佐藤聡美、イーサン役に山下大輝を迎えたボイス入りPVも公開されるなど、まだまだ多くの楽しみが待っている。既刊5巻と集めやすく物語もテンポよく進んでいくので、完結を期に同作を手にとってみてはいかがだろうか？