みんな自分の漫画を読んでいる! 情報の共有が早い田舎あるある【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/3/30

「ロケットニュース24」で2021年から連載されている『日々限界集落』。著者のうどん粉さんが暮らす限界集落での出来事を綴る4コマ漫画で、昨年末には単行本『日々限界集落』(うどん粉/主婦の友社)が発売され話題になっている。

 バスが1日3便(現在は1便)など都会でしか暮らしたことがない人には驚きがたくさん詰まっている。「推しのグッズがなかなか手に入らない」など限界集落とまではいかなくても田舎に住んだことがある人なら共感必至の内容もたくさん。そんな本作を長く続ける苦労、本作に描かれていない深掘りした限界集落エピソードなど、 著者のうどん粉さんに話を聞いた。

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――「筒抜け」という回で、「自分が漫画家になったことをSNSでも繋がっていない友人が知っていた」というエピソードがありました。これって田舎あるあるで、若い人は田舎のこういう部分を嫌う方も多い印象ですが、うどん粉さんは嫌じゃなかったのでしょうか?

うどん粉さん(以下、うどん粉):今までは嫌だと思ったことはなかったですね。でも漫画を描き始めたってことがみんなに知られてから、みなさんペンネームで私のことを呼ぶようになってしまって……。それはちょっと恥ずかしいです(笑)。

――逆に「繋がりが深くてよかったな」と思う瞬間はありますか?

うどん粉:単行本を発売した時、みなさんからたくさんお祝いしていただけたことです。「読んだよ」って言ってくださったり、お菓子をくれたり。「知り合いにあげるから〇冊買ったよ」と言ってくれる方もいました。みなさん「自分の子どもにいいことがあった!」くらいの感じでお祝いしてくれて、すごくありがたかったです。

――集落のみなさんみんなで漫画を読まれているんですね。嫌だなと思ってしまいがちな田舎の親密さをポジティブに捉えているのはうどん粉さんの漫画からも伝わってきます。

うどん粉:地元の生活が単純に自分の肌に合っているんだと思います。私の集落も小さい頃から比べても人が減って、今は30人くらいなんです。1人しかいなかった同級生も妹も今はもう関東に住んでいて……。寂しさもありますが、私はこの暮らしが好きです。

取材・文=原智香

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