正当に評価されず搾取ばかりの人間と充実の福利厚生で理想の環境の魔族。滅びるべきはどっち? 作品を通して伝えたいこと【著者インタビュー】

マンガ

公開日:2025/4/7

「ロケットニュース24」で2019年から連載されている『魔王軍はホワイト企業』。当初は他の4コマ漫画シリーズの1エピソードだったものが徐々に人気を博しシリーズ化。昨年末には単行本『魔王軍はホワイト企業』(スガラジカル/主婦の友社)が発売されるなど、人気が広がっている。

 完全週休2日制・充実の福利厚生というさながらホワイト企業の魔王軍と残業も急な変更も当たり前、根性論ですべてを通そうとする勇者軍。お仕事×世界征服コメディの本作。ファンタジーなのに、「このキャラ職場の人とそっくり!」と思わせてくれるキャラクターと“あるある”な職場ネタ満載なのが魅力だ。そんな本作はどう生まれたのか? 著者のスガラジカルさんに話を聞いた。

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――このお話を職場のみなさんで読んでいるという反響もあるそうですね。

スガラジカルさん(以下、スガラジカル):人間の労働環境の劣悪さも描いたりしているので、管理職とか、経営者の方にとっては割と耳の痛い話とかもあると思うんですけど、これを読んで気まずくならないならいい会社ですよね。

――漫画を通して、働く人にどんなメッセージを伝えたいですか。

スガラジカル:いやそんなに偉そうなことは言えないです。人それぞれ環境とか置かれている立場は違うと思うので。言うとしたら「いっぱい寝た方がいいと思います」くらいですかね。

――その優しいスタンスが作品にも反映されて、人を惹きつけているんだと思います。

スガラジカル:本当に気を付けているんですけど、あんまり自己主張の強い人間だと思われたくなくて(笑)。改革者みたいにされても困りますし、常に冒頭には「恐れ多いですが」というのが書いてはいないですがついているので。そういうつもりでこれからも描いていきたいです。

取材・文=原智香

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