勉強しかしてこなかった大学生が出会ったのは、ミステリアスな雰囲気の美人書店員!? ドタバタワーキングラブコメ【書評】

マンガ

公開日:2025/3/30

 整然と並べられた本、平積みされた新刊、個性あふれるポップ。何気なく本屋を訪れたとき、自然と目移りしてしまう人も多いのではないだろうか。そんな誰もが気軽に立ち寄れる本屋には、この世に星の数ほどある本を届けるために、日夜働いている書店員たちの日常がある。

まちの本屋の御書山さん』(いずみせら/KADOKAWA)は、幼少期からマンガに触れることなく勉強に打ち込んでいた大学生男子と、本を愛するミステリアスな雰囲気の書店員が織りなすワーキングラブコメだ。2024年12月23日には、完結巻となる『まちの本屋の御書山さん3』が発売されている。

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 小学生の家庭教師をしていた大学生の不破は、生徒の気持ちを上手く汲みとることができず、厳しすぎる指導によってアルバイトをクビになってしまう。さらに、誤って汚してしまった生徒のマンガを弁償するため、普段は立ち寄らない書店のマンガコーナーを訪れることに。

 目当てのマンガが見つからず、店内を右往左往する不破の前に現れたのは、不思議な雰囲気をまとう美人書店員の御書山さん。彼女からマンガの魅力を教えてもらった不破は、次第に他人の気持ちを思いやることの大切さに気づき始める。

 本作では、まちの小さな本屋・伊良部書店を舞台に、書店員として働く主人公たちならではの視点で物語が進んでいく。熱意が込められたフェアの設営やブックカバーかけの大変さ。お客さんとして訪れているときには気づかなかった、書店員のやりがいや苦労を知ることができるのも本作の魅力だ。

 そして、書店のリアルな裏事情が描かれたかと思えば、個性豊かな書店員たちのコミカルな掛け合いにクスッとさせられる。ほかにも、章間に挟まれる「御書山MEMO」は、本好きなら知っておきたい小ネタが盛りだくさん。

 不破と御書山さんの恋仲に発展するかしないかの絶妙な関係を微笑ましく見守りつつ、読んだあとは、家の近くにある本屋にふらっと立ち寄りたくなるはずだ。

文=ネゴト / ばやし

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