出産直前に、出会い系サイトで浮気していた夫。不妊治療、切迫早産を乗り越え、幸せな日々が待っていると思った矢先の出来事だった【書評】
公開日:2025/3/29

浮気されたら離婚するだろうか? 浮気されれば即座に別れを決断する人もいれば、一方で今後の生活などを考え離婚はしないという選択をする人もいるだろう。『臨月で浮気されました』(シク:漫画、毒島麗子:原作/KADOKAWA)は、家事にも全く協力しない夫に、出産間近の時期に浮気された妻の心の軌跡を描いたノンフィクション体験記だ。
主人公の麗子は、2つ年下の夫と結婚して5年。不妊治療の末、ようやく第1子を妊娠し、これからは幸せに満ちた日々が待っていると思っていた。しかし、出産まで数週間と迫ったある日、俺様気質の夫が見知らぬ女性と浮気していたことが発覚したのだ。「離婚したくない」と懇願する夫に対し、麗子は別れを決意。ひとりで子どもを育てる覚悟を決めた麗子だったが、立ち会い出産の中「母になる機会をくれた」という感謝の気持ちから、夫ともう一度やり直すことを選んだのだ。
ところが、その後も夫の態度は変わらなかった。威圧的な言動や、悲しい出来事に心を痛める麗子への厳しい言葉。そして息子に対しても積極的に関わろうとしないのである。「この人は絶対に変わらない」そう悟った麗子は、かつてプロポーズされたレストランに夫を呼び出し、ある決意を告げたのだった。
本作の見どころは、自分の幸せを追求し続ける主人公・麗子の芯の強さである。理想とする家庭を築くために辛い状況にも耐え続けた彼女は、自分の心と向き合い、本音を隠さず夫としっかり対峙し続けた。だからこそ、後悔のない選択ができたのだろう。
夫婦関係について、不満を溜め込みすぎている人にもぜひ読んでほしい一冊だ。辛い状況を変えるためには、無理をするのではなく、想いを伝えること、そして自分の理想を諦めないことが大切なのだ。
麗子が最終的に手に入れた理想の家族はどのような形だったのか。臨月に浮気されてから夫との関係を見つめ続けてきた麗子の決断を、ぜひ見届けてほしい。
文=ネゴト / くるみ