いじめをしていたクラスメイトが行方不明になってから数日、副校長も姿を見せなくなってしまった【漫画家インタビュー】

マンガ

公開日:2025/3/28

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 自身に関するエッセイや、フォロワーの体験談を基に描いた漫画をブログで発表しているしばたまさん。ゆるかわいいタッチながら人間の本性を鋭く突くような作風が注目を集めている。今作は悪人が嫌いな主人公のある願いから巻き起こる、不可思議な出来事を描く。正義とは? 悪とは? 人間が逃れられない本質に迫る作品を生み出した著者のしばたまさんにお話をうかがった。

 日々、流れてくる暗いニュースにうんざりする森田は、ある日、犯罪者がいなくなるように神様に願う。その後、いじめをしていたクラスメイト・西村が行方不明になる。そして副校長も姿を消してしまった。

悪い人に対する心情をリアルに描いている

――近年は1話完結による連作スタイルのマンガも多く見かける中、本作は続きもので展開させていくことにされた経緯を教えてください。

これは単純に1話の長さではおさまりきらなかったのと、続きものを描いてみたかったからです!

――行方不明になったクラスメイトに対する主人公の受け止め方は、いろいろな意味で考えさせられるものがありました。

クラスでも問題があったいわゆる不良がいなくなっても困らない、心配しないどころか、逆に喜ぶ人のほうが多いのではないかと、自分がこのクラスにいたらどうだろうと妄想しながら描きました。残酷なことを言わせていますが、リアルなセリフだと思っています。

――しばたまさん自身が主人公と同じような状況に遭遇したら、どのように感じ、どうされますか?

不良とは直接関わりたくないので、タカシ君を自分のグループに入れるなどして間接的にどうにかしようと行動すると思います……。

不良が消えた場面では主人公とほぼ同じ思想で、「不良が学校来なくなってラッキー。退学するのかな?」くらいに感じてしまうと思います。

 暗いニュースが嫌いで、とにかく明るい話題を……と願った主人公の葛藤を描いた本作。悪人がいなくなったら世界はどうなるのか。そもそもどこからが悪といえるのか。ラストまで読むと、そんなことを考えてしまうはずだ。

しばたま
デザイナー&イラストレーター。大人気アイスのパッケージデザインなどを手がける。Instagramでフォロワーさんから体験談を募集し「ゾッとした話」「ほっこりした話」などのマンガを描き、話題に。著書は『1万人がいいね!した 心ゆさぶる本当の話』『身の毛がよだつゾッとした話』。

Instagram:@shibatamaa
X:@shibatamaaaa

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