「消えていい奴が消えている」世界から人が消え続けるのとは反対に悪いニュースは減少し…【漫画家インタビュー】

マンガ

公開日:2025/4/2

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 自身に関するエッセイや、フォロワーの体験談を基に描いた漫画をブログで発表しているしばたまさん。ゆるかわいいタッチながら人間の本性を鋭く突くような作風が注目を集めている。今作は悪人が嫌いな主人公のある願いから巻き起こる、不可思議な出来事を描く。正義とは? 悪とは? 人間が逃れられない本質に迫る作品を生み出した著者のしばたまさんにお話をうかがった。

 犯罪のニュースが嫌いな森田はある日、犯罪者を消してほしいと神社でお祈りする。すると世の中から次々と犯罪者が姿を消し、結果として暗いニュースが激減した世界になる。あまりに簡単に人がいなくなることに疑問は抱きながらも、犯罪報道の減少で自分を納得させていく。

描きながら変化が生まれた善悪の境界線。ラストのセリフに込めた思い

――行方不明者が増えて犯罪者が減っていく描写から、悪いやつを消すことで犯罪が減るのか?という人間にとって永遠の命題のようなものを感じます。主人公は消えていい人間だからと納得しますが、この方向で描いた理由を教えてください。

私自身が嫌なニュースを見続けていく中で芽生えた思考だからです。ですが描いていくうちに消えれば解決するとか平和になるとか、そんな単純なことではないと思いましたし、その先に幸せは訪れないとわかりました。

――「あと少しできれいな世界になる」という主人公の考えに思わずうなずいてしまいそうになりました。

このときにはもう物語のラストの展開を決めていたので対比させたかったことと、私の望みでもあったのかもしれません。

――失踪者が増えて主人公の心が揺れ動く場面がありますが、この時点での主人公の心境はどのようなものだったのでしょうか?

自分の神頼みで消えてしまっているので、本当に自分が正しいことをしたのか不安になりつつ正しいに違いないと思うしかない、思いたい。そんな心境を表現しました。

 暗いニュースが嫌いで、とにかく明るい話題を……と願った主人公の葛藤を描いた本作。悪人がいなくなったら世界はどうなるのか。そもそもどこからが悪といえるのか。ラストまで読むと、そんなことを考えてしまうはずだ。

しばたま
デザイナー&イラストレーター。大人気アイスのパッケージデザインなどを手がける。Instagramでフォロワーさんから体験談を募集し「ゾッとした話」「ほっこりした話」などのマンガを描き、話題に。著書は『1万人がいいね!した 心ゆさぶる本当の話』『身の毛がよだつゾッとした話』。

Instagram:@shibatamaa
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