悪人が消えた世界になってハッピー? 望んだ先に行き着いたのは…【漫画家インタビュー】

マンガ

公開日:2025/4/3

advertisement

 自身に関するエッセイや、フォロワーの体験談を基に描いた漫画をブログで発表しているしばたまさん。ゆるかわいいタッチながら人間の本性を鋭く突くような作風が注目を集めている。今作は悪人が嫌いな主人公のある願いから巻き起こる、不可思議な出来事を描く。正義とは? 悪とは? 人間が逃れられない本質に迫る作品を生み出した著者のしばたまさんにお話をうかがった。

 主人公の森田は悪いニュースが大嫌い。そこで神様に犯罪者を消してほしいと強く願うと、ある時から悪人が次々と行方不明となる。次第に悪いニュースも減っていき、誰もが笑顔で暮らせる、森田が望んだ世界へと変わるが……。

当初の構想から反転した結末。あなたが望む“きれいな世界”は?

――ネガティブなニュースがなくなり、誰もが笑顔で犯罪が起きない世界線はベストに見えますが、主人公は後悔します。この結末にした理由を教えてください。

みんな怯えて消えたくないという恐怖で感情を殺し、笑顔を見せる。その現状を知って犯罪がないだけの偽物の平和だと知ったことで後悔します。犯罪がなくなっても人々は幸せにはなっていないからです。

全員幸せで平和だなんて創作でも私にはできなくて、なので読者の皆さんにハッピーエンドにする方法を教えてほしかったのです。

――当初はハッピーエンドを目指していたそうですが、どの時点で方向転換したのでしょうか。また、もし今、別の世界線で描くとしたら、どのようなラストになりそうですか?

西村の妹が出てくる時点でバッドエンドにしようと思いました。別の世界線を描くとしたら……ん~~自分の判断ではなく神様に委ねた無責任な神頼みを撤回して、世界とか大きいものを考えるより前に、まずはすぐそばの人達のことをもっと知ってみるところから始めないと。そう主人公に思わせて、少しずつクラスの雰囲気が変化していく、といったような世界線もいいかもしれないですね。

――しばたまさんにとっての「きれいな世界」とは?

難しい……! でもとりあえず自分の大事な人達が笑っていられる世界ですかね? 半径3メートルくらいの人達のことならたくさん考えられるし、話くらいは聞けると思うので……。

 暗いニュースが嫌いで、とにかく明るい話題を……と願った主人公の葛藤を描いた本作。悪人がいなくなったら世界はどうなるのか。そもそもどこからが悪といえるのか。ラストまで読むと、そんなことを考えてしまうはずだ。

しばたま
デザイナー&イラストレーター。大人気アイスのパッケージデザインなどを手がける。Instagramでフォロワーさんから体験談を募集し「ゾッとした話」「ほっこりした話」などのマンガを描き、話題に。著書は『1万人がいいね!した 心ゆさぶる本当の話』『身の毛がよだつゾッとした話』。

Instagram:@shibatamaa
X:@shibatamaaaa

あわせて読みたい