女子高生がパパ活に手を出したのはなぜ?お金欲しさにパパ活を始めたJKの末路【書評】

マンガ

公開日:2025/4/17

 2010年代半ばから問題視されるようになり、いまや大きな社会問題となった「パパ活」。「食事だけ、会うだけだから」「誰でも稼げる」「みんなやってる」…。そんな甘い言葉に誘われてパパ活に踏み込み、大きなトラブルに巻き込まれる女性は後を絶たない。

 中には、お金欲しさから軽い気持ちでパパ活を始めたが最後、泥沼のような悲劇を辿る未成年も大勢いる。『娘がパパ活をしていました』(グラハム子/オーバーラップ)は、パパ活を通して危険に晒された一人の女子高生をリアルに描いた作品だ。

advertisement

 主人公・千紘は春から憧れの高校に編入を叶えた女子高生。新たな友達もでき理想の高校生活をスタートさせたが、徐々に友人たちとの金銭感覚の差に苦しむようになる。そんな中である日、久々に再会した中学時代の友人から、千紘は「パパ活」のことを教えられた。

 確かに危険な一面もあるが、自分が気を付けていれば大丈夫。そう考え、お金欲しさに家族や友人に内緒でパパ活を始めた千紘。しかし不注意から危険に晒され、結果周囲にパパ活がばれてしまい…と、ストーリーは展開していく。

「パパ活」という危険で泥沼化するテーマを、読みやすいタッチで描いた本作。普段あまりマンガを読まない人でも手に取りやすく、するすると読み進められる。

 読者の視点はさまざまだが、きっと誰もがパパ活の沼にハマる千紘をバカにはできないはずだ。なぜなら、彼女の持つ物欲や金銭欲、居場所を失いたくないという焦りは、多くの人が共感しうるものだからだ。

 一方で、本作で描かれる彼女の失敗を見ながら、「私は大丈夫、パパ活なんてやらないから関係ない」「自分の家族や友人にも、こんなバカなことをする人はいない」とも感じるだろう。パパ活当事者のなかにも「私は彼女みたいな失敗はしない」と思う人もいるかもしれない。

 だが、実際には、そういう人こそ泥沼に足を取られやすいものだ。本作を手に取ることで、今一度「本当に大丈夫?本当に自分は関係ない?」と自問してみてはどうだろうか。

文=ネゴト/ 曽我美なつめ

あわせて読みたい