「ママは僕たちのお尻さわったりするけど…」お尻ポンはよくない? プライベートパーツから人権まで学べる性教育入門書【書評】
公開日:2025/4/23

子どもの成長と共に環境がガラリと変わると、得てくる情報や知識、発する言葉の変化にドキリとさせられる。正しい知識を子どもに伝えなければいけない! そう思うものの、何からどうすればいいのやら…。
そんな悩める保護者たちにおすすめしたいのが『こどもせいきょういくはじめます おうち性教育はじめますシリーズ』(フクチマミ、村瀬幸浩、北山ひと美/KADOKAWA)だ。本作は「性教育は恥ずかしいことでも難しいことでもなく、自分も相手も大事にするために必要なことだ」と教えてくれる。
「おうち性教育はじめます」シリーズ第3弾となる本作は「子どもが自分で読める性教育の本がほしい」という声に応えた、小学校低学年から読める1冊だ。
今は低学年から学ぶことが増えている「プライベートパーツ」の話から、「誕生」や「体の変化」はもちろん 、「同意・不同意」「バウンダリー」といった人権に関わる考え方まで、本作では学校を舞台に分かりやすく学ぶことができる。
「自分はどうやって生まれたの?」「どこから生まれたの?」子どものそんな疑問に対し、やんわりと誤魔化して伝えてきた保護者も多いのではないだろうか。
性に関する情報を目にする機会も増える現代の子どもたち。彼らが自らの身を守るためにも、適切な知識を身につけさせてあげられたら…。そう願う人にこそ本作を強くおすすめしたい。
学年ごとにテーマがあることで、子どもの年齢に合わせて伝える目安にもなるのが嬉しいポイントだ。「どう思う?」「どう感じる?」子どもたちと一緒に考えるスタイルをとることで、ただ知識を伝えるだけではなく、自分の気持ちを伝えることの大切さも学ぶことができる。
「性教育」を正面から学ぶ機会がなかった大人たちも、これからの時代に必要な考え方を学べる。子どもたちと一緒に、知識をアップデートしませんか。
文=ネゴト / Ato Hiromi